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《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”

指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)

指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、六代目山口組が新たに通知したという「厳守事項」について。

 * * *
 特定指定暴力団六代目山口組が8月、組員らに向け「厳守事項」を通知したという情報が入った。内容は過去に通達されてきたものと同様、組員らによる特殊詐欺や闇バイトへの関与の禁止。だがそこに書かれていたある言葉に、元組長は「今さらだけどね」と皮肉った。

 今回通知された厳守事項は1と2から成る。厳守事項1では、特殊詐欺を卑劣な犯罪だとし、「山口組組員は任侠道を歩む者であることを自任し、外道の行いを許してはならない」と説く。極道である山口組組員は仁義を重んじ、弱きを助け強きをくじく任侠道を歩む者として、特殊詐欺を外道の行いと断罪している。

 これまでも、特殊詐欺は外道、と暴力団による通知や通達には似たような表現が使われてきた。2020年5月、指定暴力団稲川会が組員らに向けた通知した「『稲川会規約』総本部通知」にも、「特殊詐欺は、何ら落ち度なく判断能力が低下している老人等を狙い撃ちにし、個人的な生活資金を騙し取るもので有って、誠に卑劣である」と、任侠道を思わせる内容で特殊詐欺を卑劣と断じた。

「古いタイプのヤクザは仁義や任侠道を重んじる。年寄や弱い者はいじめない。特殊詐欺にしても高齢者からは奪うようなオレオレ詐欺はしない。やるのは不動産投資詐欺などで、狙うのは金を持っているやつら。だが今の若い組員らに任侠道は通じない。彼らは仁義より金だからね」と、自身を昭和の時代を生きた古いタイプのヤクザだという元組長は話す。「爺ちゃん婆ちゃんは大事にしないとね」。

 稲川会規約は全会員と関係者(会員と親交を有する者)に対し、特殊詐欺への関与を厳禁とし、首謀、実行行為の一部にでも加担または便乗、利益を一分でも受領することを禁じた。関与が明らかになった時は「理由の如何を問わず破門・絶縁等、厳重なる処分を科す事とする」。稲川会に限らず特殊詐欺への関与の禁止と処分については、どの組もほぼ横並びだ。

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