国際情報

中国旅客機で問題続出 放火や「空気吸いたい」と非常扉開ける

 7月下旬、中国浙江省台州発広東省広州行きの旅客機内で、持ち込んだガソリンにライターで火をつけようとした乗客1人が乗員や乗客に取り押さえられた。この事件で、男を取り押さえた乗務員に30万元(約600万円)の報奨金が贈られたが、出発地の台州市の民用航空局長ら計3人が安全管理に不備があったとして免職された。

 中国ではこのところ、旅客機の乗客によるマナーの悪さや規則軽視などによるトラブルが相次ぎ、問題視されており、航空機トラブルには信賞必罰で臨むという中国当局の姿勢が明確になった。

 中国国営新華社通信によると、男は同機が広州国際空港に着陸しようとしていたところ、突然、立ち上がり、ペットに入ったガソリンを座席近くのカーテンなどにかけてライターで火を付けようとした。インターネット上には一部に燃えた跡がある座席の写真が掲載されており、機内で放火しようとしたとみられる。

 男は乗員らに取り押さえられたが、刃物で抵抗し、1人が負傷した。男は着陸後、逃げようとして開いたドアから飛び降りて重体だという。同機には乗客95人と乗員9人が乗っていたが、着陸後、避難して全員無事だった。

 この事件で、前述の通り男を取り押さえた乗務員に30万元の報奨金が贈られたほか、男と格闘した他の2人の乗務員にもそれぞれ3万元(約60万円)を贈られた。

 中国では今年4月、大連発深セン行き旅客機内で、乗客の女4人が座席のリクライニングをめぐって口論となり、髪をつかんで殴る蹴るの大乱闘を繰り広げたことから、同機は途中の上海の空港に緊急着陸。4人はそのまま警察に連行され、5日間の行政拘留処分を受けた事件が起きている。

 また、今年1月には、西安発海南島行きの中国東方航空の国内便が海南島の空港に着陸したあと、乗客の1人が非常扉を開け、脱出用シューターを作動させるという事件も発生。この乗客は「できるだけ早く飛行機から降りたかった」と動機を語った。

 さらに、同年1月、杭州の空港で乗客1人が離陸直前、非常扉を開けてしまうトラブルがあった。乗客は「飛行機に乗るのは生まれて初めてで、新鮮な空気を取り入れようとした」と述べた。

 これらのトラブル続出で、中国の航空当局は問題を起こした悪質な乗客の搭乗を禁じるほか、公安当局に厳重に取り締まるよう求めている。中国国内ではネット上でも「国の恥だ」「厳しく罰すべきだ」などとマナーの悪さや規則違反に強い批判が集まっている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン