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池田温泉旅館“夜逃げ”騒動

「高級外車に乗り込んで…」岐阜・池田温泉旅館から“夜逃げ”したオーナーが直撃取材に見せた「怒りの表情」 委託していた町の職員も「現在もまだ旅館に入れない」と嘆き

オーナーが出入りしていた店に貼られていた紙

オーナーが出入りしていた店に貼られていた紙

 岐阜県揖斐郡池田町で、有名な観光地として知られる「池田温泉」。池田町が運営する「池田温泉 新館」の2階、3階部分で、町から委託されレストランと旅館を経営していたのが「株式会社 たち川」だ。同社は7月30日の夜に“夜逃げ”し、翌日からレストラン「郷土料理 たち川」と旅館「池田温泉旅館 たち川」は突如閉鎖。町や仕入れ先の業者に対しては未納金が残った状態で、池田町は混乱に陥っている。

“夜逃げ”の日、軽トラックとバンに荷物を詰め込んでいたオーナー・A氏は8月某日、池田町から離れた岐阜県内のある飲食店に、高級外車・BMWに乗って訪れていた——。【全3回の第3回。第1回から読む

「会社が違います」

 2階、3階部分がもぬけの殻となっている「池田温泉 新館」。その扉には、次のように記された1枚の紙切れが貼られたままになっている。

〈株式会社 たち川は、事業を停止することとなりました〉〈株式会社 たち川が占有していた場所及び当該場所内の動産については、当職らが専有管理いたしますので、無断の立ち入り及び搬出等をすることを固く禁じます〉

 未納金を抱えたまま、忽然と姿を消したA氏。張り紙に書かれた連絡先は愛知・名古屋市内にある弁護士事務所になっており、町が運営する「池田温泉」の総支配人も「本人と連絡が取れない」と嘆いている。

 A氏はいま、どこにいるのか。A氏を知る関係者が語る。

「A氏は2019年に『株式会社 たち川』を起業後、旅館やレストランのみならず、ブームに乗って『高級食パン』を扱うパン屋や喫茶店も開業し、旅館でパンを販売するなどグループ経営にも力を入れていました。

 パン屋は今回の騒動で閉業しましたが、喫茶店は途中で別のオーナーに経営を任せ、現在も営業している。A氏はその店に出入りし、手伝っているのです」

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