63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志さん
“顔面凶器”といわれるコワモテと、鍛え上げた肉体をいかした激しいアクションで、映画やVシネマを中心に活躍してきた俳優・小沢仁志さん(63)。2022年、還暦を機に製作総指揮・主演アクション映画『BAD CITY』を世に出し、この7月には、初の自伝『波乱を愛す』(KADOKAWA)を発売する。
60歳を過ぎて、なお血気盛んな小沢さんに、初の自伝を著した心境や、代表作『スクール☆ウォーズ』や『ビー・バップ・ハイスクール』について聞くと、意外な答えが返ってきた──。【前後編の前編】
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「知らない人からどう思われるとか、気にしたことはないね。街を歩くときも、飲みに行くときも変装はしない。“顔は歩く看板”だと思ってるからさ」──20歳で役者の世界に飛び込み、コワモテ俳優として42年。我が道を歩いてきた小沢さんが、人生で初めて半生を振り返り、己と向き合った。きっかけは自伝本のオファーだった。
「編集者からやってみないか、と言われ、そんな大それたことはやってきてないし、過去は振り返らないタチだけど、この年齢になるとこれまでを振り返った話が求められるんだな。今までやってこなかったことを拾っていこうかなと思ったんだ」
──振り返ってみていかがでしたか。
「振り返ったからといって、オレはオレで、考え方とかはこれまでと変わらない。積み重ねていくタイプだから。今日より明日だと前を見て、これからもっとすごいことがあるかもしれない、と思ってる。ただ、読んだ人がこんな考え方もあるんだ、生き方もあるんだ、と知って気が楽になってもらえたらいいな、と思うよ」