国内

共産党変身の仕掛け人? 小沢一郎氏が野党共闘のキーマンに

「自民党1強」といわれて元気のない野党の中で、唯一、気を吐いているのが日本共産党だ。志位和夫・委員長が安保法制で共闘した民主、生活の党、社民などと党首会談を開き、「戦争法廃止の国民連合政府」を目指して次の総選挙や参院選での選挙協力を行なう方針を打ち出して政界に衝撃を与えた。

 共産党は前回総選挙の小選挙区で自民、民主に次ぐ3位の約704万票を獲得。いまや「公明党・創価学会に匹敵する集票力を持つ」(自民党選対幹部)といわれる。ただし、選挙では原則、全選挙区に独自候補を立てるため、当選に結びつかない“死に票”となってきた。

 それが、野党が安保法制反対の統一候補を立てれば支援に回ってもいいといい出したのは、共産党にとっては「党是」を捨てたに等しい大転換である。

 そうした共産党変身の“仕掛け人”と見られているのが、小沢一郎・生活の党共同代表だ。

 小沢氏は志位氏との党首会談(9月28日)で、「国民連合政府は大いに結構だ。従来の方針を大転換した共産党の決断を高く評価する」と賛同してみせた。だが、実は、「6月に志位さんと会談して地元・岩手県知事選での選挙協力で合意して以来、これまでに5~6回は極秘に共産党側と話し合いを持ち、野党選挙協力を働きかけてきた」(小沢側近)とされる。共産党への根回しだけではない。

「野党結集」を打ち出した松野頼久・維新の党代表のバックにも小沢氏が控えている。松野氏は民主党時代、小沢支持派グループ「新しい政策研究会」の中心メンバーであり、維新には“元祖小沢ガールズ”の太田和美氏、松木謙公氏、牧義夫氏ら小沢側近たちが“陣借り”して大阪組との分裂騒動でも松野氏をサポートしているからだ。

 さらに民主党政権時代、小沢批判の先頭に立った岡田克也・民主党代表も、「民主党は参院選の1人区に13人の現職がいるため、共産党の選挙協力が欲しい。小沢さんの野党連合論に影響を受けている」(同前)とされる。

「野党がバラバラで選挙を戦っても自民党には勝てない」が持論の小沢氏は、衆参わずか5人のミニ政党(生活の党と山本太郎となかまたち)の共同代表で「もはや小沢の時代ではない」(自民党ベテラン)と見られながら、再び野党共闘のキーマンに浮上した。

※週刊ポスト2015年10月16・23日号

関連記事

トピックス

米原市役所前で、集まった市民に手を振られる両陛下。雅子さまの、織りのジャケットが華やかな青いセットアップは、2019年、マクロン仏大統領とブリジット夫人とのご会談、昼食会のときにお召しになっていた(JMPA)
天皇皇后両陛下、国民スポーツ大会開会式にご出席 開催地の滋賀は新婚当時に琵琶湖の景色に感動し、歌を詠まれた思い出の場所
女性セブン
総裁選に出馬した林芳正氏(時事通信)
「2時間ほどしていた」「紳士でした」“セクシーヨガ”と報じられた美人インストラクターが語る林芳正氏のスタジオでの姿
NEWSポストセブン
『千鳥の鬼レンチャン』と『FNS歌謡祭』がコラボした大型特番が放送される(公式HPより)
歌と笑いを融合した『FNS鬼レンチャン歌謡祭』 「悪ふざけ」「無礼で炎上」の前評判を覆し、年に一度の祭典となった理由 
NEWSポストセブン
逮捕された草間リチャード。右は現場
《「下半身を出している人がいます」と110番》Aぇ!group草間リチャード敬太の逮捕現場は新宿の飲み屋ストリート、朝5時半でも通行する人は多く…配信番組が急遽ストップでファンから心配の声
NEWSポストセブン
学生すら知らない「秘密の高級鮨店」の全貌に迫った(右 時事通信フォト)
《学生が食べられない「近大マグロ」》近畿大学に「紹介制」の高級寿司店ができていた 大学が明かした「開店の狙い」
NEWSポストセブン
地区シリーズ・フィリーズ戦での先発が予定されている大谷翔平(地区シリーズ・フィリーズ戦での先発が予定されている大谷翔平(写真/AP/アフロ)
《世界一連覇なるか》ブルペン陣に不安が残るドジャースの頼みは「大谷翔平の先発&クローザー登板」か フィリーズ戦で先発予定も「故障のリスクを冒してでもクローザーで投げさせたい」との指摘
NEWSポストセブン
中国の名門・清華大学に在籍する
「あまりにも美しい女性は生配信に向かない!」中国の名門・清華大の美女インフルエンサーが突然の更新ストップ【SNSを巡る親子の対立で物議】
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
《クロスボウ殺人》母、祖母、弟が次々と殺され…唯一生き残った叔母は矢が貫通「息子は、撃ち殺した母をリビングに引きずった」【野津英滉被告・公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《本人が最も恐れていた事態に…》「タダで行為できます」金髪美女インフルエンサー(26)、デリバリー注文のバーガー店が滞在先を暴露「軽視できません」
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”を繰り返していた前橋市・小川晶市長(時事通信フォト)
小川市長”ラブホ会議問題”の前橋市民から出る嘆き 「高崎の親戚からすんげえ笑われた」「男と女でどんな会議なんかい、ほんと恥ずかし」
NEWSポストセブン
自党内の混乱はおさまりそうにない(時事通信フォト)
“女安倍”高市氏に防衛省制服組が“ただならぬ警戒感”「台湾有事が現実に」「独自の国家観をもつ軍事フリークは面倒」、進次郎氏を推す意外な声も「実力不足の方がいい」
NEWSポストセブン
たばこ祭りに参加した真矢と妻の石黒彩
《杖と車椅子で10メートルの距離を慎重に…》脳腫瘍のLUNA SEA・真矢が元モー娘。の妻と夫婦で地元祭りで“集合写真”に込めた想い
NEWSポストセブン