ライフ

1999年以降で患者数が最多に HIV感染の合併が怖い「梅毒」

 梅毒はペニシリンでの治療により、世界的に激減した。現在は感染症法の5類感染症に指定されており、医師は患者を診断したら、最寄りの保健所に届け出義務がある。ここ数年は増加傾向で、今年9月13日までの報告数が1701件となり、昨年1年間の1661件を突破した。特に多いのが東京都だ。

 梅毒は主に、性行為などで感染し、約3週間の潜伏期を経て、梅毒の病因菌(梅毒トレポネーマ)が入りこんだ場所に、初期硬結(こうけつ)という痛みのない小さな腫れ物ができる。これがI期だ。その後2~3週間で症状は消えるが病原体は残る。

 感染3か月以降3年目までのII期は、足の裏や手のひらなどに痛みや痒みのない赤い発疹が現われるなど、体に様々な症状が出る。この典型的な発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることから、「梅毒」と呼ばれる。II期もI期同様、皮膚症状は数週間のうちに自然消退するが、病気は進行する。

 新宿さくらクリニック(東京都新宿区)の澤村正之院長に話を聞いた。

「今年は毎月のように、梅毒の典型的な皮膚症状がある患者さんが来られます。患者は従来はホモセクシャルの30~40代の男性がほとんどでしたが、今年は若い女性の患者も見られ、異性間の性接触でも感染が広がっている実感があります」

 10年前までは、梅毒はスクリーニング検査で発見されることが多く、典型的な皮膚症状を示す症例は極めて稀だった。そのため梅毒を診察したことがない若い医師では、皮膚症状を水虫や手足口病や手湿疹(てしっしん)と診断していた例もあるという。かつて脳梅と恐れられた晩期梅毒は、抗生物質の普及で、ほとんど姿を消している。

関連キーワード

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト