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サムスン元会長 巨額脱税するも執行猶予判決で赦免の甘さ

 韓国では、サムスン以下いくつかの巨大財閥グループの存在感が非常に大きいため、司直が恣意的にしか見えない判断を下す場合が多い。例えば、2007年に起こった財閥トップによる暴行事件は韓国内で大々的に報じられ話題となった。

 逮捕されたのは火薬メーカーからスタートし一大財閥へとのし上がった韓火財閥の金升淵(キムスンヨン)・会長。自分の息子を殴った居酒屋の従業員に報復するため、暴力団員を引き連れて当の従業員を人影のない場所に連れ込んで暴行をはたらいたというものだった。

 裁判は2007年9月の控訴審で結審したが、なぜか執行猶予3年と200時間の社会奉仕活動が言い渡されただけだった。

 2009年8月にはサムスングループの李健熙(イ・ゴンヒ)・元会長が1128億ウォンの脱税などで懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けたが、同年12月には赦免されている。

「韓国・平昌への冬季オリンピック招致活動中だった当時の李明博・大統領は、国際オリンピック委員会の会員である李会長の力を必要としていました。

 有罪判決を受けてオリンピック委員の資格を停止されていた李会長を救うべく赦免したのだと、大統領自身が回顧録で明かしているのです」(韓国事情に詳しいノンフィクションライター・高月靖氏)

 これではもはや法治国家といえるかさえ怪しい。

 2007年12月には、韓国西岸の泰安地区で大規模な原油流出事件が起こった。原因は、停泊していた香港船籍の原油タンカーにクレーン船が衝突したことで、1万トン以上の重油が海に流出した。

 このクレーン船はサムスングループの関連会社、サムスン重工業所有の3隻のタグボートが曳航していた。タグボートが強風に煽られコントロールを失って通過禁止区域に進入、その際にワイヤーが破断してクレーン船が漂流した。その船が碇を降ろしていたタンカーに衝突して起きた大事故だった。

 責任がクレーン船を曳航していたタグボート側にあるのは明白だが、「なぜかサムスン重工業側だけでなく、停まっていたタンカー側の海運企業とインド人の船長、一等航海士も起訴され、二審判決では罰金刑が科された」(日韓関係に詳しいジャーナリストの室谷克実氏)のである。

 上告後に無罪が確定したが、サムスン側だけが悪者という印象が薄くなる審理・判決に、国際社会からも疑念の目が向けられた。

※週刊ポスト2015年12月18日号

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