ライフ

「楽器オヤジ」たちが集う新橋居酒屋 1曲披露して帰る人も

演者と客の垣根はない(さんろすLIVE)

 シニア世代になって、新たに楽器を習い始める人たちは多いが、少し楽器が演奏できるようになってきたら、次に湧いてくるのがやっぱり人前で披露したいという気持ち。でもどんなところで? 実はいま、こんなところでも演奏できるんです!

 団塊世代のリタイアが始まった約8年前より、店内に併設されたステージで気軽に演奏ができる居酒屋が増えている。そのひとつが、サラリーマンの聖地・新橋にある『さんろすLIVE』だ。

 ここには、50代男性を中心に毎日多くの 「楽器オヤジ」たちが集まっている。

「うちはお客さんが順番にステージに上がって1~2曲演奏するというスタイルでやっています。誰でもステージに立つことが可能ですし、腕前も上手い人から下手な人まで様々。最近はビートルズの曲を演奏する人が多いです。もちろん選曲は自由です」

 と、同店店長の武田富雄氏は語る。

 いま、多くのライブ居酒屋では楽器の無料貸し出しも行なっている。『さんろすLIVE』でも、電子ピアノ、エレキギター、アコースティックギター、エレキベース、ドラム、カホン(箱形の打楽器)の貸し出しをしているという。そのため、楽器を持たずにふらっと立ち寄って1曲披露して帰るという人も多いそう。

「一番混むのはやはり金曜の夜なので、多くの人に演奏を聴かせたい、または色々な人の演奏が聴きたいという人はそこを狙ってくるのがいいと思います。音楽仲間ともたくさん出会えるのでおすすめです」(武田氏)

 ライブ居酒屋の先駆けともいえる東京・神田の『昭和』や、新橋の『落陽』をはじめ、こういった居酒屋は全国各地に存在しているという。金曜の仕事終わりにふらっと近くのお店を訪れてみてはいかが。

 その他にも、名曲喫茶で優雅に演奏をしたい人におすすめなのが、東京・阿佐ヶ谷にある『音楽とコーヒー ヴィオロン』である。

 ここは貴重なレコードを聴きながらコーヒーを楽しむ喫茶店だが、18時以降はプロからアマチュアまで様々な人が演奏できるミニコンサート会場となる。

 店の主人である寺元健治氏は、「音楽は気持ちが大切ですから、楽器を始めて間もない人でも関係ありません。音楽を通じて何かを伝えたいと思ったら、その時はぜひお越しください」と語る。

 お洒落な名曲喫茶でのコンサートを目標にすれば、おのずと楽器の練習にも力が入るはず。

撮影■山崎力夫

※週刊ポスト2016年1月29日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

公選法違反の疑いで刑事告訴され、書類送検された斎藤知事(左:時事通信フォト)と折田楓氏(右:本人SNS)
“公選法違反疑惑”「メルチュ」折田楓氏の名前が行政SNS事業から消えていた  広島市の担当者が明かした“入札のウラ側”《過去には5年連続コンペ落札》
NEWSポストセブン
コンサートでは歌唱当時の衣装、振り付けを再現
南野陽子デビュー40周年記念ツアー初日に密着 当時の衣装と振り付けを再現「初めて曲を聞いた当時の思い出を重ねながら見ていただけると嬉しいです」
週刊ポスト
”薬物密輸”の疑いで逮捕された君島かれん容疑者(本人SNSより)
《28歳ギャルダンサーに“ケタミン密輸”疑い》SNSフォロワー10万人超えの君島かれん容疑者が逮捕 吐露していた“過去の過ち”「ガンジャで捕まりたかったな…」
NEWSポストセブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
反論を続ける中居正広氏に“体調不良説” 関係者が「確認事項などで連絡してもなかなか反応が得られない」と明かす
週刊ポスト
スーパー「ライフ」製品が回収の騒動に発展(左は「ライフ」ホームページより、みぎはSNSより)
《全店舗で販売中止》「カビだらけで絶句…」スーパー「ライフ」自社ブランドのレトルトご飯「開封動画」が物議、本社が回答「念のため当該商品の販売を中止し、撤去いたしました」
NEWSポストセブン
「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手
「全てを話せば当然、有罪となっていたでしょう」不起訴になった大物地面師が55億円詐欺「積水ハウス事件」の裏側を告白 浮かび上がった“本当の黒幕”の存在
週刊ポスト
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《大谷翔平が“帰宅報告”投稿》真美子さん「娘のベビーカーを押して夫の試合観戦」…愛娘を抱いて夫婦を見守る「絶対的な味方」の存在
NEWSポストセブン
「お笑い米軍基地」が挑んだ新作コント「シュウダン・ジケツ」(撮影/西野嘉憲)
沖縄のコント集団「お笑い米軍基地」が戦後80年で世に問うた新作コント「シュウダン・ジケツ」にかける思い 主宰・まーちゃんが語る「戦争にツッコミを入れないと」
NEWSポストセブン
令和最強のグラビア女王・えなこ
令和最強のグラビア女王・えなこ 「表紙掲載」と「次の目標」への思いを語る
NEWSポストセブン
“地中海の楽園”マルタで公務員がコカインを使用していたことが発覚した(右の写真はサンプルです)
公務員のコカイン動画が大炎上…ワーホリ解禁の“地中海の楽園”マルタで蔓延する「ドラッグ地獄」の実態「ハードドラッグも規制がゆるい」
NEWSポストセブン
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さん、撮り下ろしグラビアに挑戦「撮られることにも慣れてきたような気がします」、今後は執筆業に注力「この夏は色んなことを体験して、これから書く文章にも活かしたいです」
週刊ポスト
強制送還のためニノイ・アキノ国際空港に移送された渡辺優樹、小島智信両容疑者を乗せて飛行機の下に向かう車両(2023年撮影、時事通信フォト)
【ルフィの一味は実は反目し合っていた】広域強盗事件の裁判で明かされた「本当の関係」 日本の実行役に報酬を支払わなかったとのエピソードも
NEWSポストセブン