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株安の最中に発表 三菱UFJ国際投信の衝撃レポートの中身

 日経平均株価は年明けから6営業日連続で下落し、その後も年初来安値を更新し続けた。そんな中、投資信託の大手運用会社・三菱UFJ国際投信が、年始の下落を受け、株安の最中である1月14日に、興味深い臨時レポートを発表している。

 それが「『日本株市場、なぜ下がった?』〈足下の国内株式市況と今後の見通し〉」だ。そこでは、年明けの下落要因を分析した上で、こんな強気の株価予想をしている。

〈半年後、2016年央の日経平均株価のターゲットレンジを21000円~23000円と想定しています〉

 投資のプロたちは、決してあたふたすることなく、この状況下でも「日本経済は絶好調」と読み解いているのだ。

 レポートでは、まず日経平均の下落要因について、中国経済の減速や円高傾向、原油安による資源国・新興国経済への不安という外部要因がもたらす企業業績の悪化懸念がある、と冷静に分析している。その上で、今後の日本株についてこう述べている。

〈日本株式は再評価され、次第に底堅さを増してくると考えられます〉

 その根拠はどこにあるのか。レポートでは、日本株が上がる要因を大きく分けて4つ挙げている。1つ目は日銀による「異次元緩和」が当面継続される見通しだということ。信州大学経済学部の真壁昭夫教授が解説する。

「日銀が異次元緩和と呼ばれる政策を打ち始めてから3年が経過しました。これは、乱暴にいえば日銀が市中に大量のお金を流し、世の中のお金の巡りを良くしようとする政策で、デフレ脱却が目標です。ところが、物価水準はいまだ日銀の目標には達していない。そのうえ、政財界からの景気の下支えを求める声も強いので、緩和継続はもちろんのこと、さらなる景気刺激策となる追加緩和の可能性もあります」

 追加緩和には円安を進め、輸出関連企業の業績を改善する効果が期待される。

 2つ目は、日本企業の「収益力向上」と「法人減税」だ。長く続いたデフレ不況を耐え抜くために日本企業の収益力は着実に向上している。実際、これだけ悲観論が支配的であるにもかかわらず今年度は好決算の企業が多い。

「トヨタ自動車や伊藤忠商事といった大企業も、2016年3月期決算で最高益を更新する見込みで、企業は好調なんです。さらに政府は今年、現行は32.11%の法人実効税率を29.97%まで引き下げる方針です。そうなれば浮いたお金は設備投資などに回せるので、企業の収益力や評価をさらに向上させることが期待できます」(同前)

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