国内

石原慎太郎 安倍首相は良くやっているが角栄とスケール違う

田中角栄元首相のスケールの大きさを語る石原慎太郎氏

 田中角栄氏の金権政治を批判する急先鋒だった石原慎太郎氏が、『天才』というタイトルで上梓した新刊は、田中角栄の人生を一人称で書くというまさかの“霊言”だった。金権を批判したが、しかし政治家として田中角栄は天才で本当のインテリだと評価する石原氏に、現代の政治家について聞いた。

 * * *
〈石原慎太郎氏と田中角栄氏、2人のもう一つの共通点が、アメリカと対峙したことである。石原氏は、角栄がアメリカに頼らない資源外交を展開したことが、ロッキード事件につながると見る。作中で角栄は、こう述懐する。『無念ながらこの国は未だにアメリカの属国ということを何とこの俺自身が証してしまったのかもしれない』〉(〈 〉内は編集部。以下同)

 角さんが総裁になって初めての国政選挙で使った金が300億円だよ。ロッキード事件で授受したとされたのが5億円。300億の中の5億なんていうのははした金なんだよ。どこから出た金かなんて、角さんにわかるわけがない。つまり田中内閣というのは、アメリカの策略でやられたんだよ。その結果、田中角栄を否定することで、私たちは歴史を改竄してしまったんだ。それは後世にとって本当によくない。

 アメリカというのは、自分に歯向かう人間が許せないんだな。俺が『「NO」と言える日本』を書いたときに、共著者の盛田(昭夫)さんはアメリカ版を出すときに逃げちゃったから単著で出したら、60万部売れた。こんな日本人はいないよ。それで、アメリカは俺のことを非常に憎んで、インタビューしたどこかの記者が、俺のことを「背広を着た日本の悪魔の化身だ」って言った。アメリカに悪魔の化身だって言われたら、光栄だね(笑い)。

〈石原氏は、本書のあとがきをこう締めくくる。『歴史への回顧に、もしもという言葉は禁句だとしても、無慈悲に奪われてしまった田中角栄という天才の人生は、この国にとって実は掛け替えのないものだったということを改めて知ることは、決して意味のないことではありはしまい』。「いま角さんが生きていたら」──石原氏は最近、よくそんな想像をするという。〉

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン