ビジネス

資産1億円超投資家 下落局面の空売りで活かした格言

「日経平均が1万7000円を割り込んだタイミングで空売りを仕掛けました」──こう話すのは総資産1億円超の“億り人(おくりびと)”であるようこりん氏。空売りとは、証券会社から株を借りて売却し、その株が値下がりした時点で買い戻すことで利益を得る投資方法のことだ。

「私が空売りした銘柄はベアリングで有名な優良企業です。空売りをした時の株価は980円くらいでした」

 急落が続いた年初に空売りを仕掛けて儲けた際にはある「格言」が生きたのだという。

「株の世界には『半値八掛け二割引で底が入る』という言葉があります。下落時は半値の八掛け、つまり50%の八掛けで40%まで落ちて、そこからさらに二割落ちて32%で底値になるという意味。

 私が空売りした会社は去年の6月に2300円の高値をつけたところから落ち続けていました。それで、半値八掛けのちょっと前、980円くらいでさらなる下げを確信して空売りしました。理論通りならそこから二割引までいきますが、一株あたり100円の利益が出るところで売りました。何株空売りしたかは秘密です(笑い)」

 多くのメディアが危機を煽り、個人投資家が市場から逃げようとしたタイミングで、億り人はしっかり儲け、反騰にも備えていたのだ。

 ようこりん氏はそうして空売りで手にしたタネ銭で今度は上昇期待の銘柄を買い増している。狙ったのは年初に大きく値を下げた銘柄と上がり調子が続いた銘柄の両方だ。

「下落したところで買ったのが三菱UFJフィナンシャル・グループ。日銀のマイナス金利で銀行関連は大きく値を下げていますが、大きな会社だからなんとしても戻すはず。上り調子の方は日本商業開発という不動産投資企業を買いました。不動産は銀行と逆にマイナス金利の恩恵に期待しています」

 投資の「勝ち組」は下がっていても、上がっていても儲けているのだ。

※週刊ポスト2016年2月19日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン