国際情報

韓国で抗日映画・ドラマ続々公開 4人に1人が観た作品も

生体実験を描いた映画『京城学校』

 戦後70年の昨年、韓国では多数の反日映画やドラマが制作された。今年もその勢いは止まらず、韓国国民の「反日感情」を刺激する映像作品が続々と世に送り出される予定だ。在韓ジャーナリストの藤原修平氏がリポートする。

 * * *
 昨年、韓国では日本統治時代の独立運動を描いた映画『暗殺』が観客動員数1270万人を超える大ヒットを記録した。これは韓国映画史上歴代7位の記録で、韓国国民の4人に1人が観た計算になる。同作品は1930年代の京城(現・ソウル)と上海が舞台。上海に樹立された「大韓民国臨時政府」による日本の要人、および親日派朝鮮人の暗殺計画を描いた「抗日活劇」で、中国でも公開され大きな話題となった。

 反日感情が強く根付く韓国社会では、「抗日」をテーマにした映画やドラマが時代を問わず、幅広い世代に受け入れられている。ジャンルはさまざまだが、近年のトレンドは日本の植民地統治時代を背景にした作品だ。

 昨年6月に公開された映画『京城学校:消えた少女たち』もそのひとつで、同作品のテーマは日本軍による“生体実験”だ。

 舞台は日本統治下の京城にある全寮制の療養学校。重い病を患う朝鮮人少女たちは、ここで「治療」と称した新薬の投与を受ける。だが、これは日本軍による肉体改造の生体実験だった。何も知らずに薬を投与され続けた少女たちは、やがて超人的な肉体を手に入れ、日本軍の軍人と、日本に協力した学校関係者を次々と殺戮する。

 実に荒唐無稽なストーリーだが、同作品のイ・ヘヨン監督は「日本軍が朝鮮半島で生体実験を行ったという記録があるわけではない」としながらも、「日本の植民地統治時代なら(生体実験が)あったとしてもおかしくはない」と発言。映画を旧日本軍の731部隊と関連付けて報じるメディアもあった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン