スポーツ

ガニマタ打法の種田仁 「かっこいいフォーム?憧れない」

現在は建築会社の営業マンの種田仁氏

 プロ野球界には、常識を覆すようなフォームで活躍する選手が定期的に現われる。それらは奇をてらったものではなく、プロの世界を生き抜くために試行錯誤し、辿り着いたものである。中日や横浜で活躍した種田仁氏の打法が「ガニマタ打法」と呼ばれた。通算成績は打率.264、1102安打71本塁打の、種田氏が語る。

 * * *
 この打法が生まれたのは、プロ11年目。「結果を出さなければ今年でクビ」という時期でした。当時の僕は、打つ時に体が早く開いてしまい、ミートのタイミングが合わずに凡打の山を築いていた。ならば、最初から開いた状態でタイミングを合わせることに集中すればいいと考えて生まれたのが、「ガニマタ打法」でした。

 左足のつま先を投手に向けて膝をグッと曲げる。ガニマタでブサイクかもしれないけど、タイミングも合わせやすいし、ミートの瞬間、バットに力も込められる。その当時、僕は二軍にいて、練習場には口の悪いファンがいっぱいいた。「なんだ、あれ!」と大声で爆笑されたり、ヤジも飛ばされたけど、気には留めなかった。

 毎日、鏡の前でガニマタになってフォームを研究した。結果、この年に3割を打ち、カムバック賞も受賞できました。僕は小さい頃から、カッコいいフォームに憧れたことはありません。どんなフォームでも打てればいいんですから。

 選手生命も延びたし、観客が真似をして「タネ・ダンス」を踊ってくれた。ガニマタに変えて本当に良かったです。

※週刊ポスト2016年9月16・23日号

関連キーワード

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン