ビジネス

地震保険が大幅改定 保険料が「値下げ」されるエリアも

地震保険大幅改定の影響は(写真・アフロ)

 年越し気分の昨年12月28日には茨城で震度6弱の地震が発生。地震大国・日本では地震のリスクから逃れられないことを改めて思い知らされた。

 そんな心配を解消する手立てとなるのが「地震保険」だが、1月1日から制度の大幅改定が行なわれた。最大の変更点は保険料の「値上げ」だ。全国平均で5.1%引き上げられ、さらにこの先、平均19%まで段階的に値上げされる見込みだ。

 それでも地震保険には入っておくべきなのか、意外と知らない「判断基準」を伝授する。

◆意外な「値下げ」エリアを把握せよ

 地震保険の保険料は、木造か非木造かの「建物の構造」と、地震発生のリスクを基に3段階に区分けされる「住居の所在都道府県」によって算出される。

 今回の改定は全国平均で5.1%の値上げだが、地域によって「値下げ」された地域もある。

「愛知、三重、和歌山は11.3~15.3%の値下げとなった。大阪も2.5~2.9%の値下げです。保険料は上昇トレンドですが、これらの地域は入りやすくなったといえます。5年分の保険料を一括で払う制度を利用しても良いかもしれません」(ファイナンシャルプランナーの清水香氏)

◆ローンと預貯金の額が境界線

「多額のローンが残っている人は、被災すると住む場所を失い、残るのは借金だけという最悪の事態に陥りかねない。預貯金が少ない人も被災後の生活再建がゼロからのスタートになる」(ファイナンシャルプランナーの平野敦之氏)

 こうした場合は加入を検討してよい。逆にローンがなく預貯金がある人は、慌てて加入する必要はない。

◆マンションは「管理組合」が加入しているかがカギ

 マンションの場合、個人で加入する地震保険では専有部分しかカバーできない。

「エントランス、エレベーターなどの共用部分は『管理組合』が保険に加入します。共用部分が未加入のマンションが被災すると、巨額の修繕費用がかかるため、修繕積立金の不足分は個人の追加負担となります。その場合、修繕の合意形成は困難になるケースがあります」(清水氏)

 個人の加入だけでは、十分な補償は期待できない。管理組合が未加入の場合は注意だ。

◆液状化リスクがある地域は要検討

 東日本大震災では埋立地を中心に約2万7000戸が液状化の被害を受けた。

「地震保険は、地震が原因の液状化による住宅の損害もカバーします。傾いたり、沈み込んだりした場合、家屋そのものが損傷していなくても『全損』と認定されるケースもあります」(清水氏)

※週刊ポスト2017年1月27日号

関連記事

トピックス

高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン