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桂歌丸「延命装置をつけるのは絶対やめようと妻と話した」

自身の最期について語る桂歌丸

 落語歴65年、御年80歳。桂歌丸の鼻から伸びたチューブはステージ後方にある酸素吸入器へと繋がれている。声にハリはあるがこの機材を用意しなければ、高座に上がれないこともまた事実だ。

 2006年に五代目三遊亭円楽の後を継いで『笑点』の司会に就任したが、その後の歌丸の体調は芳しくなかった。2009年には慢性閉塞性肺疾患で入院。翌2010年には肺炎、その後も帯状疱疹や背部褥瘡(じょくそう)などで、毎年のように入退院を繰り返した。病と向き合う中で、“最期”についても考えるようになったという。

 * * *
 最近は、どうすれば楽に往生できるかを考えてしまいます。だから、妻(冨士子さん)とは「意識がないまま病院に担ぎ込まれたら、呼吸器だとか、そういった延命装置をつけるのは絶対にやめよう」と話し合っているんです。意識がなくて何もわからないんじゃあ、つまらないもん。延命装置をつけても治らない人を何人も見てきましたしね。

 なるべく安らかに死にたいから、医者のいうことを素直に聞くようにしていますよ。けどね、これがなかなか難しいんです。

 一昨年、肺炎になったと思ってかかりつけの病院にいったときに、腸閉塞が見つかったんですよ。そうしたら、長年肺炎を診てくれている医者から「これはウチの専門じゃない」といわれて、病院から病院に救急車で“緊急引っ越し”させられちゃいました。あれはさすがに驚いた(笑い)。

 転院先でいわれたのは、アタシは痩せてて胃下垂だから、胃に腸が押されて腸閉塞になってしまったと。だから医者には「太ってください」っていわれたけど、「無理です」って答えました。だって若い頃から太ったことないんだもん。人生で体重が50キロを超えたことなんてないから、80歳を超えた今から急にブクブク太れるわけがない。

 それと、医者からは腸閉塞の予防のために「とにかく食べ物は、よく噛んで食べてください」といわれるんですが、それも無理。我々、噺家はご飯を食べるのがみんな早いんですよ。昔はのんびり飯なんか食ってた日にゃ、「いつまで食ってんだ!」って、師匠や先輩にどやされましたからね。その習慣が染みついてるから、早食いの癖が抜けない。

 でも、肺炎にならないように、誤嚥には気をつけています。歳をとると、色んなものが気管に入りやすくてしょうがない。特に薬を飲むときに誤嚥を起こして肺炎になったらシャレにならないから、最近はゼリーに包んで飲んでいます(笑い)。

※週刊ポスト2017年2月27日号

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