だが、男性もそうだが、50才以上を“ひとくくり”にしてもいいのか…というのは、近年、マーケティング関係者が指摘している点。いまは、65才以上をF、M(男性)共に「4層」としており、90才以上まで、5層、6層というように分けている調査も少なくない。
あの『徹子の部屋』が枠内にあり、4月からは石坂浩二と浅丘ルリ子“元夫婦”が31年ぶりに共演することでも話題の帯ドラマ『やすらぎの郷』も始まるテレビ朝日の昼枠。脚本は倉本聰氏で、共演は有馬稲子、野際陽子、加賀まりこ、五月みどり、そして八千草薫のベテラン女優たちだ。つまり、テレビ朝日は、『バイキング』とは棲み分けし、新F3層よりも、F4層やF5層を狙っているとも言えよう。
そういう環境の中で、大下容子アナはさらに輝くのではないだろうか。
実は現在、コメンテーターの女性たちの多くが大下容子アナより年下。一方、男性コメンテーターは大下アナより年上で、橋本大二郎氏に至っては父親とも言っていい年齢だ。
もちろん、アナウンサー陣はみな後輩。制作陣にも年下が増えたに違いない。
そうした“ワイスク・ファミリー”を地に足をつけながらまとめ、出過ぎず、目立ち過ぎず、しかし、華やかな衣装に身を包み、女性アナウンサーらしく華もあるのが大下アナ。
もちろん、“裏まわし”もお手の物だし、瞬時に視聴者の立場でニーズや疑問をはかり、絶妙のタイミングで軌道修正していく、MCの達人である。
他局の最年長女性アナウンサーに比べると、年齢が若い分、キャラクターは薄いかもしれないが、しっかり訓練された古き良き時代の“最後のアナウンサー”と言ってもいい大下容子アナ。昨年発表された「第13回 好きな女子アナランキング」では、8位の竹内由恵アナに次いで、テレビ朝日では2位にあたる9位に「初登場」でランクインしている。
テレビ朝日としても、もっとも大切にしなければいけない女性アナウンサーの一人に違いない。『ワイド!スクランブル』も『SmaSTATION!!』も大下容子アナで来年度以降も続けてほしい。