海老蔵も大きな決断をした


 東京・港区にある青山霊園の一角に、2013年に海老蔵の父・團十郎さん(享年66)が亡くなった際に海老蔵が建てた成田屋の墓がある。墓石には、真新しい文字が刻まれている。

《豊愛尚興姫命》。これは、神道において死後につけられる「諡名(おくりな)」。小林麻央さん(享年34)が6月22日にこの世を去ってから2か月余りが経った9月5日、麻央さんの納骨が行われた。

「参列していたのは、全部で10名ほどでした。海老蔵さんは黒の喪服姿で、神妙な面持ちをしていました。子供たちもはしゃいだりすることもなくて、麗禾ちゃんはワンピース姿、勸玄くんも制服のような服装でした」(目撃した人)

 海老蔵の自宅マンションのリビングには、麻央さんの遺骨を中心に、思い出の品や写真を飾った「麻央さんコーナー」があった。愛する人を失った悲しみは、そう簡単に癒えるものではない。しかし、日常が少しずつ戻ってこようとしている中で、今まですぐそばにあった麻央さんの遺骨が場所を移したことは、海老蔵にとって大きな気持ちの節目となったようだ。

 そして、それは“ママ”として奔走してきた麻耶にとっても同様だった。

 3才違いの麻耶と麻央さんは、自他共に認める仲良し姉妹だった。麻央さんのがんが発覚してからは、闘病を続ける麻央さんの元に毎日のように足を運び、病気が公表されてからは、治療のため都内のマンションに引っ越した海老蔵一家に合わせて、母親とともに麻耶もそのマンションに移り住んだ。麻耶は麻央さんが天国に昇ってからも、残された幼い子供たちの面倒に懸命に取り組んできた。しかし、こんな声も聞こえてくる。

「麻耶さん自身が自らの気持ちから行動しているとしても、海老蔵さんや子供たちのために犠牲になっているという見方もできてしまう。加えて、このままずるずると“ママ”が長引けば、年齢を考えても結婚や出産といった機会を手に入れるにはタイムリミットもあるわけです」(芸能関係者)

 麻央さんの死後も子供たちの世話に東奔西走する麻耶は現在までほとんどテレビに出演しておらず、人気を博していた雑誌の連載もストップしたまま。単発の仕事などはこなしているものの、完全復帰したとはいいがたい状況だ。プライベートの時間もすべて捧げているため、熱心だったお稽古ごとに通うのもままならない状況だという。

 そこで海老蔵は、「男のけじめ」として別離の道を選んだようだ。大きな節目の1つは、8月中旬のハワイ旅行だった。海老蔵は、麗禾ちゃんと勸玄くんを連れて南の島での8日間を楽しんだ。現地では、麻耶と母親も合流した。

「闘病中、ずっと麻央さんを支え続けてくれた2人に対する感謝の気持ちがあったみたいです。でも同時に、海老蔵さんには“このまま頼ってばかりいてはいけない”という思いも芽生え始めていたといいます。旅行を1つの区切りにしようという節もあって、子供たちと一緒に思い出を作ってもらいたいという考えもあったようです」(歌舞伎関係者)

 そして、もう1つの区切りだったのが、前述したように9月5日の麻央さんの納骨だった。

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