その後も夏休みを利用して、ふたりは何度もアパートで“密会”を重ねた。当時、A氏は女子生徒との結婚を意識して、お互いに「一生一緒にいたい」と伝え合っていた。

 しかし、別れは突然訪れる。女子生徒の母親が娘の携帯電話の着信履歴を見て、A氏との交際が発覚したのだ。8月下旬に女子生徒の自宅に呼び出されたA氏は、交際や宿泊を認め、ひたすら謝罪した。だがこの時、ふたりは両親にこうも告げている。

「一生一緒にいるつもりで交際していた」

 その夜、女子生徒は謝罪の言葉とともに、両親から会うことも電話をすることも禁じられたこと、そしてA氏への“未練”を伝える内容のLINEを送った。

〈この5ケ月は今までで一番幸せでした〉
〈いまでもA(注・A氏の本名)が好きです〉

 返信をしなかったA氏に対し、女子生徒は再度、自分の気持ちを伝えるLINEを送っている。しかし、A氏は返信をしなかった。

 その後、女子生徒の両親がA氏の勤務する中学校に報告。町教育委員会などの聴取の後、懲戒免職処分が下された。この件が報じられると、A氏は「淫行教師」としてネット上で大々的に批判された。

 だが、A氏が在籍した中学校の生徒の評判は上々だ。

「発覚当時はすごく騒ぎになったけど、A先生はすごく熱心で一生懸命でした。女子に甘いとか、目つきが嫌らしいこともなかった」(同中学校の3年生女子)
「みんなが“まさか”と驚いたほど真面目な先生でした。“A先生の数学の授業が好き”という生徒も多かった」(同中学校の3年生男子)

 今回、晴れて勝訴となったA氏だが、その口から発せられる言葉は重い。

「まだ落ち着かない面もあり、どうやったら終わったと思えるかわかりません。何を言っていいのか、何が正解なのかもわからない。相手のご両親のこともありますし、教育委員会にも迷惑をかけました。ぼくとしては、本当に申し訳ないという気持ちだけです」(A氏)

 主張が認められたとはいえ、A氏は今も逡巡する。

※女性セブン2018年1月1日号

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