国際情報

韓国「三一運動」100周年 北に取り込まれ危険国家の烙印も

韓国はこのまま北に取り込まれるのか(AFP=時事)

 韓国で“独立記念日”となっている3月1日が近付いてきた。今年は「三一運動」発生から100年という特別な年。予定されている記念イベントの中には、例年とは違う動きも見られるという。韓国在住ジャーナリストの藤原修平氏がリポートする。

 * * *
 三一運動とは、1919年3月1日に朝鮮半島で始まった日本からの独立運動である。現在のソウル市鍾路区にあるパゴダ公園で独立宣言書が読み上げられ、そこに集まった人々は「大韓民国独立万歳」と叫びながらデモを繰り広げたのだが、この運動は瞬く間に植民地朝鮮の全土に広がった。現在は“万歳デモ”とも言われている。

 韓国で3月1日は「三一節」という祝日で、毎年その日になると“万歳デモ”を模したイベントが全国各都市で開かれ、多くの市民が「万歳」と言いながら市内を練り歩く。

 この運動が韓国で圧倒的な人気を誇るのは、単に韓国独立の一歩を刻んだからだけではない。最近も韓国外交部が「この運動の精神は東洋と世界の平和を願うことにある」などとコメントしている通り、韓国では平和運動として子どもたちに教育され、社会全体でそう認知されている。

 今年は三一運動から100年という節目の年だ。そのため例年とはひと味もふた味も違う記念事業が政府や各自治体をあげて続々と企画されている。三一節が1週間後に迫り、次第に明らかにされつつあるその内容を見ると、例年よりも“反日色”が強まるであろうことが容易に予想される。

 100年前の万歳デモを再現するイベントは全国の自治体で催され、その中では「日本の憲兵が動員されて万歳デモが阻止された」という出来事も再現されるとみられる。家族揃ってお祭り気分で参加した万歳デモの再現で、日本の憲兵隊とのやり取りを見ることになれば、反日感情はさらに増幅されるだろう。

 ソウル郊外の南楊州市では、市内にある高宗(李氏朝鮮第26代国王、のち大韓帝国初代皇帝。韓国併合後は大日本帝国の王族となった)の墓陵の前で、高宗の死と葬列を再現した演劇が上演される。高宗は三一運動が始まる1か月ほど前に66才で突然世を去ったが、その死因が定かでないことから日本による毒殺説が流布され、それが三一運動の契機の一つになったとされている。劇中で上演される高宗の死は、「悪い日本人」が高宗に毒を盛る、というような設定になる可能性が高い。

 三一節に便乗した、独立運動とは無関係の“反日イベント”まで企画されている。ソウル市は2月18日、来る三一運動100周年に合わせて、旧日本軍慰安婦だった韓国人女性の写真3点を初公開すると発表した。ソウル大学との合同企画によるものだという。しかし、慰安婦は独立に貢献した“烈士”ではない。三一節に合わせた元慰安婦の写真公開は、慰安婦問題で日本をさらに追及する目的があるのだろう。

関連記事

トピックス

報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
雅子さまは免許証の更新を続けられてきたという(5月、栃木県。写真/JMPA)
【天皇ご一家のご静養】雅子さま、30年以上前の外務省時代に購入された愛車「カローラII」に天皇陛下と愛子さまを乗せてドライブ 普段は皇居内で管理
女性セブン
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
稽古まわし姿で土俵に上がる宮城野親方(時事通信フォト)
尾車親方の“電撃退職”で“元横綱・白鵬”宮城野親方の早期復帰が浮上 稽古まわし姿で土俵に立ち続けるその心中は
週刊ポスト
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者
【新宿タワマン刺殺】ストーカー・和久井学容疑者は 25歳被害女性の「ライブ配信」を監視していたのか
週刊ポスト
東京駅17番ホームで「Zポーズ」で出発を宣言する“百田車掌”。隣のホームには、「目撃すると幸運が訪れる」という「ドクターイエロー」が停車。1か月に3回だけしか走行しないため、貴重な偶然に百田も大興奮!
「エビ反りジャンプをしてきてよかった」ももクロ・百田夏菜子、東海道新幹線の貸切車両『かっぱえびせん号』特別車掌に任命される
女性セブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
高橋一生と飯豊まりえ
《17歳差ゴールイン》高橋一生、飯豊まりえが結婚 「結婚願望ない」説を乗り越えた“特別な関係”
NEWSポストセブン
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田首相の脱法パーティー追撃スクープほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田首相の脱法パーティー追撃スクープほか
NEWSポストセブン