上皇・上皇后のお世話をする組織として宮内庁に「上皇職」が新設され、現在の侍従職職員の多くがそちらに移ると思われます。皇宮警察や警視庁の警備は現在とほぼ同じでしょう。移動の際の交通手段も飛行機なら専用機、新幹線などの列車なら臨時列車と、現在と変わらない予定です。
ご退位後も国民の敬愛や信頼の気持ちは変わらないでしょうから、上皇・上皇后のご近況などは知りたいと思うでしょう。天皇誕生日や新年の一般参賀にはお出ましいただきたい──そう国民は希望しているのではないでしょうか。
【PROFILE】やました・しんじ/1956年大阪府生まれ。関西大学卒業。23年間の宮内庁勤務の後、皇室ジャーナリストとして『皇室手帖』の編集長などを務める。BSテレ東『皇室の窓スペシャル』の監修を担当。著書に『いま知っておきたい天皇と皇室』(河出書房新社)、監修書に『天皇家の想い』(ワニブックス)、『美智子さま100の言葉』(宝島社)など。
◆取材・構成/祓川学(フリーライター)
※SAPIO2019年4月号