イップスを克服するために必要なこととして、北方も岩本氏と同意見だった。
「あえて他の人に言う必要はないかもしれないですけど、投げられなくなってしまったのは事実なので、自分がイップスであることを素直に受け入れて、認めることが大事だと思います」──2018年に阪神を自由契約となった西岡剛も加わった栃木で、今季の北方は150kmオーバーの球速を取り戻し、今季の開幕戦では横浜時代の自己最速に並ぶ158kmを記録した。NPBの球団を復帰を目指している北方だが、既にトライアウトを3度受験しており、現行のルールではトライアウトに参加することはできず、12球団のいずれかから声がかかるのを待つことしかできない。
「僕はボールを投げるだけ。どこの球団でもかまわない。もう一度、NPBに挑戦したいです」
イップスであることを藤浪が認めていない以上、外野がとやかく言うことは余計なお世話なのかもしれない。だが、イップスの正体を理解することこそ、今の藤浪に必要なことではないか。