早くもシーズンの約3分の1が経過し、6月4日から、前半戦の山場である「交流戦」が始まる。近年、交流戦の結果が、ペナントの行方を大きく左右している。交流戦で勝ち星を伸ばせなかったチームは“終戦”になりかねない。
セの首位争いは交流戦直前に景色が大きく変わった。巨人が1か月間守ってきた首位の座から陥落、変わって浮上したのは、4月には最大で借金8を背負い最下位に沈んでいた広島。5月中旬の11連勝で、ここ3年の指定席を奪い返している。
ゴールデンウィークの12連戦を終え、選手の疲労もピークの中で、6月4日からは交流戦が始まる。中盤以降のペナントレースを左右する重要な戦いだ。
リーグ4連覇と悲願の日本一を目指す広島は、丹念に見ていくとチーム状態は決して芳しくない。ともに「交流戦で大連敗」という悪夢を招きかねない懸念が見え隠れする。
◆依然として投手陣が心許ない
広島は、首位に初めて立った翌22日もエース・大瀬良大地(27)の完投で接戦を制した。その後、チームは連勝を11まで伸ばした(5月26日現在)。
2年連続MVPの主軸・丸佳浩(30)がFAで巨人に移籍し攻撃力が大幅ダウンしたのに加え、序盤は鈴木誠也(24)やジョンソン(34)、野村祐輔(29)ら投打の柱が絶不調。
「それでも、5月に入ると3人とも本来の力を取り戻し、鈴木は中旬に3試合連続タイムリーにサヨナラ弾と今や絶好調。心配されていた丸の穴を野間峻祥(26)や西川龍馬(24)が埋め、チームがうまく回り始めた」(スポーツ紙記者)