芸能

『なつぞら』、早期にソフトランディング 展開に疑問も

『なつぞら』、終了まであと1か月となった

 広瀬すず主演のNHK連続テレビ小説『なつぞら』。放送終了まであと1か月となり、クライマックスに向けて盛り上がっていくのかと思いきや…そのストーリー展開に疑問の声が出ている。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 序盤は22~23%で推移していた視聴率が8月に入ってからは、20%を下回る日も目立つようになった朝ドラ『なつぞら』。残り1か月の放送が残っているにも関わらず、ネット上にはネガティブな記事や書き込みが増えているのは気がかりです。

 ネガティブな記事や書き込みで多いのは、「結婚したあと何の物語なのか、わからなくなった」「いろいろ問題が出るけどサクサク解決してしまう」などのストーリーに対するもの。

第19週114話(8月10日)の最後に描かれたのは、奥原なつ(広瀬すず)と坂場一久(中川大志)の結婚式。最後にスピッツの主題歌『優しいあの子』が流れる最終回のような演出だったことも含め、多くの視聴者は「これでひと区切り」という印象を抱きました。

 続く第20週(8月12日~17日)から、なつと一久の夫婦生活がスタート。なつの兄・咲太郎(岡田将生)と光子(比嘉愛未)の結婚を描いたあと、なつが妊娠してマタニティハラスメントを乗り越える場面が描かれました。

 21週(8月19日~24日)は、なつが産休に入り、北海道の柴田家が上京する中、無事に出産し、仕事現場に復帰するまでが描かれました。

 22週(8月26日~31日)は、なつが作画監督を任される一方、娘・優の待機児童問題が発生したものの、茜(渡辺麻友)からの申し出で解決。「優が茜になついてしまう」という悲しいシーンもありましたが、翌日の放送で5歳に成長していました。

 結婚から各一週の放送で妊娠・出産し、マタハラや待機児童問題もアッという間に解決。作画監督という大役であるにも関わらず、仕事上の葛藤や問題はほとんど描かれることなく、仕事と子育ての両立という難しさがありながら、娘・優はわずか一週の放送で5歳に育っていました。

 つまり、なつは仕事で一定の成功を収め、さらに結婚という「公私両面でのピークをお盆前に迎えて以降、仕事も人生もサクサクと進んでいる」のです。

その様子は、まるで9月28日の最終話に向けた早く長いソフトランディング(衝撃の少ないゆるやかな降下と着地)。9月の残り4週も、北海道の人々や兄妹とのエピソードを中心に描かれるなど、仕事での大成功がなさそうな、ゆるやかな展開に疑問の声があがっているのです。

◆成功のわかりにくさとタイミングの難しさ

関連記事

トピックス

報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
雅子さまは免許証の更新を続けられてきたという(5月、栃木県。写真/JMPA)
【天皇ご一家のご静養】雅子さま、30年以上前の外務省時代に購入された愛車「カローラII」に天皇陛下と愛子さまを乗せてドライブ 普段は皇居内で管理
女性セブン
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
稽古まわし姿で土俵に上がる宮城野親方(時事通信フォト)
尾車親方の“電撃退職”で“元横綱・白鵬”宮城野親方の早期復帰が浮上 稽古まわし姿で土俵に立ち続けるその心中は
週刊ポスト
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者
【新宿タワマン刺殺】ストーカー・和久井学容疑者は 25歳被害女性の「ライブ配信」を監視していたのか
週刊ポスト
東京駅17番ホームで「Zポーズ」で出発を宣言する“百田車掌”。隣のホームには、「目撃すると幸運が訪れる」という「ドクターイエロー」が停車。1か月に3回だけしか走行しないため、貴重な偶然に百田も大興奮!
「エビ反りジャンプをしてきてよかった」ももクロ・百田夏菜子、東海道新幹線の貸切車両『かっぱえびせん号』特別車掌に任命される
女性セブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
高橋一生と飯豊まりえ
《17歳差ゴールイン》高橋一生、飯豊まりえが結婚 「結婚願望ない」説を乗り越えた“特別な関係”
NEWSポストセブン
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田首相の脱法パーティー追撃スクープほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田首相の脱法パーティー追撃スクープほか
NEWSポストセブン