隠れ感染者のみが感染拡大を進めるのではない。最大の要因は国の無策だ。
2月22日には、船内待機期間を終え、クルーズ船から下船した栃木県在住の60代女性の感染が明らかに。彼女は下船前の検査で「陰性」だった。
「女性は下船後、バスで横浜市内の駅に行き、自宅最寄り駅まで電車で移動し知人の運転する車で帰宅しました。その間に他人に感染させている可能性もあり、政府の見通しが甘かったと言わざるを得ない。しかも政府は下船した乗客のうち23人がミスで検査を受けていないことを認めました」(全国紙社会部記者)
体調不良でウイルス検査を受けようとしたが、たらい回しにされた例も報告される。
「検査対象になるのは37.5℃以上の発熱、入院が必要な肺炎が疑われる場合と、濃厚接触者や流行地域への渡航歴がある人物です。ただ、検査するかどうかは医師の判断に任されるため、診察を拒否され、感染症専門病院を紹介された人もいる。検査の要件が厳しいため、すぐに受診できない状況が続いています」(前出・全国紙社会部記者)
隠そうとする人が検査を避け、検査を望む人が受けられない状況に感染拡大のリスクは増すばかり。さらなる蔓延は、もはや避けられない。
※女性セブン2020年3月12日号