新型肺炎一覧

【新型肺炎】に関するニュースを集めたページです。

(共同通信社)
新型コロナの第2波、遺伝子変異で強毒化し致死率上がる恐れ
 新型コロナウイルスは当初、気温が上昇する夏には感染が沈静化するとされた。しかしその後、夏真っ盛りだった南半球のオーストラリアなどでも被害が拡大し、楽観説が一掃された。最新の研究でも「夏に再流行する説」が続々と発表されている。 米ワシントン大学の保健指標評価研究所(IHME)が6月11日に公表した予測では、アメリカでは新型コロナ感染の第2波が8月第4週から始まり、10月1日までの死者数は累計で16万9890人に達するとされた。「IHMEは、経済活動規制の緩和や、夏のバカンス期に見込まれる人の移動などから、8月中に新型コロナの第2波が到来すると予測しました。同時期に科学誌『サイエンス』に掲載された論文でも、米プリンストン大学の研究チームが『新型肺炎に対する人間の現在の免疫性の欠如は、今年の夏もしくは秋に急速な感染拡大の誘因となり得る』として、この夏の第2波到来に警告を発しました」(医療ジャーナリスト) すでに、世界各国では異変が続いている。 中国・北京では約2か月にわたり新規感染者はいなかったが、6月14日までの4日間で食品卸売市場を中心に計79人の感染者が確認された。韓国では6月に入ると、首都圏を中心に連日30人以上の感染者が確認されている。 これまでロックダウン(都市封鎖)を行わない独自路線で感染者を抑えていたスウェーデンでは、感染者数がここ最近になって大幅に増加。6月11日には感染確認者数が過去最大の1474人となった。 各国の状況を見ると、静かにだが、第2波が足音を立てて近づいてきている。「新しい生活様式」が始まった日本も例外ではない。 第1波は落ち着いたとみられたが、最近は都内を中心に感染者がじわじわと増加。6月14日には47人、15日は48人の新規感染者が東京で確認された。5月25日に緊急事態宣言が解除されて以降の最多人数を2日連続で更新した。 経済同友会の櫻田謙悟代表幹事が6月1日、加藤勝信厚労相らとのテレビ会議で「第2波はウイルスの変異により、感染力が拡大する可能性がある」と発言した通り、第2波の脅威として「ウイルスの変異」が指摘される。 東京農工大学農学部附属国際家畜感染症防疫研究センター教授の水谷哲也さんが指摘する。「ウイルスは人に感染し細胞を乗っ取ると、自らをコピーして増殖していきます。その際、コピーミスが生じ、毒性が強まることがあります。しかも、新型コロナの遺伝物質は『RNA』という物質で、一般に知られる『DNA』よりも変異が起こりやすい。ただ、コロナウイルスは修復能力を持っているので、RNAウイルスのなかでも変異は起こりにくい部類に入ります」 それでも、新型コロナは中国・武漢で発見されてから6か月余りで5000種類以上に変異したと報告されている。ウイルスが恐ろしいのは、変異によって強毒化する可能性があることだ。「新型コロナは、欧米諸国の死者数と比べ、アジア諸国の死者数が圧倒的に少ないことが大きな特徴です。世界の多くの研究者は、欧米で広がったウイルスが変異を繰り返し、強毒化した可能性を指摘しています」(前出・医療ジャーナリスト)◆スペインかぜの第2波は「遥に猛烈」 この夏にやって来る可能性のある第2波は、どんなものになるだろうか。参考になるのが新型コロナと同じRNAウイルスで、いまから100年前に流行したスペインかぜだ。 1918~1920年にかけて世界規模で流行したスペインかぜでは、当時の世界人口の約3分の1にあたる5億人が感染し、2000万人から4500万人が死亡した。 当時の内務省衛生局が記した報告書『流行性感冒』などによると、日本をスペインかぜの第1波が襲ったのは1918年8月で、翌年7月までに2116万人が感染して25万人が命を失った。 より深刻な影響が出たのは、第1波収束の3か月後にやって来た第2波だった。「第2波では241万人が感染して12万8000人が亡くなりました。感染者は第1波の10分の1でしたが、死亡率は1.2%から5.3%と4倍以上に跳ね上がりました」(前出・医療ジャーナリスト) あまりの被害に『流行性感冒』は第2波について「遥に猛烈」と書き残した。死者数を激増させたのがウイルスの変異だ。「アラスカの土中から掘り起こした第2波の犠牲者の遺体からウイルスを復元した結果、ウイルスが変異して凶暴性が増していたことがわかりました。国によっては、第1波の10倍の致死率に達したところもあります」(前出・医療ジャーナリスト) 1957年に世界中に感染が拡大したアジアインフルエンザも、第1波より第2波の方が大きな被害をもたらしたことが知られる。2009年の新型インフルエンザ流行時のアメリカでは、第2波のピークで、第1波のピークの2倍を上回る新規感染者が発生した。「歴史を振り返ると、むしろ怖いのは第1波よりも第2波です。新型コロナも国内で変異、凶暴化し、死者が増える可能性は充分あり得ます」(全国紙科学部記者)※女性セブン2020年7月2日号
2020.06.19 07:00
女性セブン
胸が張り裂ける思いに…
武漢で再び感染拡大の危機 1100万の市民にPCR検査実施へ
 新型コロナウイルスの発生源とされ、4月下旬に2カ月半の都市封鎖が解除されたばかりの中国湖北省武漢市で、5月中旬、1人の重篤感染者を含む6人が新型コロナウイルスに感染したことが分かり、武漢市政府は全市民約1100万人に新型コロナウイルスの感染を調べるPCR検査を実施する方針を決めた。 この6人は感染者数には入っていない無症状感染者からウイルスをうつされたとみられ、すでに5000人の市民が隔離状態に置かれているという。 また、市政府はこれ以上の感染拡大を警戒して、市内全域の8地区での宅配サービスを停止する通達を出しており、武漢では再び緊急事態が懸念されている。 米国政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」によると、武漢市中心部で市民の憩いの場と知られる中山公園の一角で、散歩中だった男性が10日、突然口から泡状のものを吐いて倒れたことから、近くの市民が警察に連絡した。 男性は救急車で病院に搬送されたが重篤な状態だった。病院で検査を受けたところ、新型肺炎の症状を呈していた。市内では、その日のうちに新たに5人が新型コロナウイルスに感染していることが判明した。 このため、武漢市党委員会は同日夜に緊急会議を開き、12日から武漢市内全域の8行政区での宅配の配送業務の停止を発表した。さらに、全市民1100万人を対象に、10日以内にPCR検査を受けることを決定。少なくとも、5月中には全市民の検査が終わるよう指示している。 市当局は検査と並行して、男性ら6人の感染源を特定し、濃厚接触者や無症候性感染者を中心に約5000人の住民が自宅に隔離したほか、感染したとみられる180人が病院などで治療を受けさせている。 中国のSNS「微博(ウェイボー)」では「武漢は都市封鎖が解除されて3週間で逆戻りだ。新型コロナの感染の第2波、第3波が来た。このままでは武漢は再びゴーストタウンに逆戻りだ」といった書き込みも。そのほか、ある武漢市民は「早く武漢から出た方がよい。早くしないと、また閉じ込められてしまう」と書き込んだが、上海市民からは「だめだ。武漢から出たら、また中国がパンデミックに陥ってしまう。習近平は再び武漢を封鎖しろ」と返答している。
2020.05.27 07:00
NEWSポストセブン
胸が張り裂ける思いに…
新型コロナで疑惑の研究所やWHO関係機関にサイバー攻撃
 米国を中心に、新型コロナウイルスは中国の疫学問題専門の武漢ウイルス研究所から流出したとの見方が広がっているなか、同研究所を狙うサイバー攻撃が激化しており、中国当局は警戒を強めている。サイバーテロを仕掛けているのは極右過激派集団とみられており、彼らの標的は中国寄りの姿勢をとる世界保健機関(WHO)や米マイクロソフトの創始者のビル・ゲイツ氏夫妻が創設したビル&メリンダ・ゲイツ財団なども含まれているという。 香港の英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』が右翼過激主義を監視する「SITEインテリジェンスグループ」の報告書をもとに報じたところでは、武漢ウイルス学研究所は何者かのサイバー攻撃を受けているのだという。 従業員のメールアドレスとログイン資格情報、テレグラムチャンネル、ツイッターアカウント、掲示板など数百件の情報が漏洩しており、研究所側がコンピュータ―の管理体制の修正や補強に追われている。 また、WHOでも同じグループからとみられるサイバー攻撃を受けており、約450のWHO職員の電子メールアドレスとパスワードが漏洩したことを確認したという。サイバー攻撃は現役の職員のほか、すでに退職した職員のコンピューターシステムにまで及んでおり、彼らがメール通信した人たちのシステムにもイオ場をきたしているという。 WHO関係者は「サイバー攻撃の件数は前年同期と比べて、5倍以上になっている。しかし、データが最新ではなかったので、世界各国のWHOの下部機構のシステムは被害を免れていたのが、不幸中の幸いだ」と述べている。 SITEインテリジェンスグループのエグゼクティブ・ディレクターであるリタ・カッツ氏は、「極右コミュニティにとって重要なのは、データが自分の目的に向けて使用できることです。つまりコロナウイルスが武漢の研究所で生成され、意図的に拡散されたとの陰謀論が広がることなのです」と指摘している。 一方、中国のハッカーグループによって、米疾病管理予防センターや米国立衛生研究所も攻撃されていたとの報告もある。 米メディアは「米連邦捜査局(FBI)は4月下旬、外国の国家的支援を受けたハッカー集団が米疾病管理予防センターや米国立衛生研究所、米食品医薬品局のコンピューターシステムに侵入し、開発中の新型肺炎治療のワクチンや治療方法などについての情報を集めようとしていた」と報道した。FBIはハッカー集団がどの国から支援を受けているのかなど、その詳細は明らかにしていない。だが、一部メディアはFBIの内部情報として、「中国人民解放軍の傘下にあるサイバーテロ攻撃部隊」と伝えている。
2020.05.16 07:00
NEWSポストセブン
「水曜集会」がなくなる可能性も
元慰安婦が不透明なカネ指摘 「韓国内の反日デモ集会」解散も
「(日本政府に抗議する)水曜集会をなくさなければならない。私はもう参加しない」──5月7日、韓国・大邱市内で記者会見を行った元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス、92)氏は、こう批判の狼煙をあげた。彼女が批判の矛先を向けたのは、挺対協(挺身隊問題対策協議会、現・正義記憶連帯)であり、その元代表で“反日市民団体のドン”と評される尹美香(ユン・ミヒャン)氏だった。挺対協は韓国内で最も影響力を持つといわれる慰安婦支援団体で、ソウル旧日本大使館前で行われている水曜集会を主催していることでも知られている。まさに衝撃の展開だった。 先の4月15日に行われた韓国総選挙では、コロナ対策が評価された文在寅大統領率いる与党・共に民主党が過半数を超える180議席を獲得し圧勝した。世論の支持を受けた文政権が再び反日路線に向かう可能性が指摘されているが、実際にはこの総選挙が、反日市民団体の分裂の引き金となった。 政治家への転身を目指した尹美香氏はこの総選挙に与党陣営の立候補者として出馬、当選した。市民活動家から国会議員へとステップアップを果たしたのだ。現地記者によると、李容洙氏は「尹氏は国会議員をしてはならない」と手厳しく批判しているという。 李容洙氏は慰安婦問題のスポークスマン的な存在として知られた人物である。2017年に公開された慰安婦問題を扱った映画『アイ・キャン・スピーク』の主人公として韓国内では広く知られ、訪韓したトランプ米大統領に抱きつくパフォーマンスをした元慰安婦と記憶されている方もいるだろう。彼女が尹美香氏の国政転身に不快感を示したのは、ある理由があったからだという。「10年ほど前、一部の支援者が李容洙氏を国会議員にしようと盛り上がったことがありました。ところがその出馬に大反対をしたのが、挺対協や尹美香氏だったのです。結局、李容洙氏の選挙は支持が集まらずうまくいかなかった。それなのに尹美香氏は悠々と国会議員になった。『私たち元慰安婦は利用されただけだった』と李容洙氏が感じたとしてもおかしくはありません」(元慰安婦の支援者) つまり尹美香氏が元慰安婦を踏み台にして、国会議員職という“名誉”を掴み取ったことに、激しい反発が起きている、ということなのだ。  元慰安婦が挺対協に対して反乱を起こしたのは、じつはこれが初めてではない。拙著『韓国人、韓国を叱る 日韓歴史問題の新証言者たち』(小学館新書)では、元慰安婦である沈美子(シン・ミジャ、故人)氏が起こした裁判についてレポートしている。以下、引用する。【04年3月13日、沈美子氏ら13人の元慰安婦は、挺対協と(元慰安婦の支援施設である)ナヌムの家に対して、「募金行為及びデモ禁止の仮処分申請」を申し立てた。 その目的は、運動の資金源である募金を止めさせることと、日本大使館前で行われる水曜デモを止めさせることにあった。準備書面は水曜デモに対する痛烈な批判となっている。〈日本軍慰安婦または女子勤労挺身隊ではない、日本政府が言う偽物を動員し、ソウル日本大使館の前や周辺で次のような内容や表現を提唱したり、流布する行為を禁ずる。一・日本軍慰安婦に対するアジア女性基金は欺瞞だ。日本のカネを受領するのは公娼を認めることだ。二・その他、被告が日本軍慰安婦の利益を代弁するという趣旨の内容〉(要約) 沈美子氏の支援者は、裁判に至った経緯をこう解説する。「多くのハルモニ(元慰安婦)は貧しい境遇にあったのに、挺対協がほとんどのお金を持って行ってしまうことを沈美子はおかしいと感じていたのです。そこで三十三人の元慰安婦を集めて『世界平和無窮花会』を組織して独自の活動を目指した。そして、挺対協やナヌムの家などの元慰安婦を食い物にしている運動体の解散を目指し裁判を起こしたのです」(彼女の支援者)】 沈美子氏が指弾した「挺対協とカネ」の問題は、今なお続いている。李容洙氏は先の会見でこう暴露したのだ。「(水曜集会に)参加した学生たちが出した寄付金はどこに使われているかわからない。寄付金や基金などが集まれば被害者に使うべきなのに、挺対協は被害者に使ったことがない。水曜集会は学生たちに苦労だけをさせ、金を失わせるだけで、まともな教育にもならない」 水曜集会には、若者や教員に引率された学生が多く参加していることで知られている。李容洙氏はそうした現状を「教育にならない」とバッサリと切り捨てたのだ。  一連の暴露に対して尹美香氏はフェイスブックを通じて「(寄付は)徹底して管理し、監査を受けて報告する過程を経ている」と釈明した。挺対協(現・正義記憶連帯)サイドはこう反論している。〈「おばあさんは高齢で、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)以降、心身が弱くなった状態」とし「おばあさんと正義記憶連帯は家族のように過ごしてきた歳月が30年」と話した。あわせて「空しさもあり誤解もあり、記憶が歪められた部分もあったのだろう」〉(韓国・中央日報5月8日付)「おばあさん」とは李容洙氏のことだ。挺対協(現・正義記憶連帯)サイドはあたかも“彼女はボケている”と思わせるような表現で反論し、暴露は「ハプニング」と切り捨てた。「李容洙氏は、数少ない生存する元慰安婦の中で、もっとも挺対協寄りだった女性です。そんな彼女が批判に転じた衝撃は大きい。慰安婦に否定されてしまったら水曜集会は、そもそもの立脚点を失う。日本大使館関係者も『水曜集会、解散もありうる』とその推移に注目しています」(在韓ジャーナリスト)“名誉とカネ”を巡る泥仕合の行方はいかに──。◆取材・文/赤石晋一郎(『韓国人、韓国を叱る』著者)
2020.05.12 07:00
NEWSポストセブン
ミシェル・オバマ氏(写真右)と並ぶホー・チン氏(AFP=時事)
台湾ネット民がSGP首相夫人を攻撃した「マスク問題」の背景
 マスクの有無はスーパーの棚だけの問題ではなく、国際問題にも発展している。拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。 * * * 新型肺炎の感染拡大が止まらず多くの国がその対応に苦慮するなか、国際社会では不足する医療物資の支援をめぐって、様々な思惑が交錯し始めている。 いわゆる“マスク外交”と呼ばれる動きだが、なかにはかえって摩擦を引き起こしたり、警戒を呼ぶといったドタバタも起きている。支援とは反対の動きや思惑が見え過ぎて敬遠されることもあり、上手くやっているとはいいがたい状況も散見される。 4月1日には、マスクなどの医療物資を積んだロシアの軍用機がニューヨーク・ケネディ空港に降り立ち世界を驚かせた。冷戦期の激しい対立を思い起こせば信じられない光景である。 そのアメリカは、カナダや中南米向けに出していた3M製マスクの輸出禁止を要請し、マスクをあてにしていた国々を慌てさせた。それどころかドイツやフランスが注文したマスクを空港などで強奪したとの疑惑までかけられている。 一方の中国は、感染爆発が起こった直後のイタリアにマスクや医療スタッフを派遣し、その後はバルカン半島の国々への支援に力を入れたが、この動きに対しEUの分断をもたらしているとの批判が持ち上がり、効果は半減した。マクロン大統領やメルケル首相がにわかに中国に厳しい発言を始めたのは象徴的な変化だろう。 こうした動きはアジアでも顕著だ。中心になっているのは新型肺炎対策で名を挙げた台湾である。4月中旬には、マスクの援助をめぐり台湾のネット民がシンガポールのリーシェンロン首相夫人のホー・チン氏を攻撃するという問題が起きた。きっかけは台湾がシンガポールにマスクの支援を申し出たのに対して、夫人がSNSで「えっと……」と応じたことだった。 普通に考えれば、夫人の返信こそが失礼となる。だが、この反応には理由があった。というのも台湾は1月に新型肺炎の拡大が伝わると、間もなくマスクの輸出を止めてしまい、そのせいでシンガポールが危機に陥っていたからだ。結局、シンガポールは3月上旬になってやっと自国でマスクを生産する態勢を整えることができた。その直後に台湾が「マスクの支援」を申し出たのだ。「えっと……」となるのも自然だろう。 台湾ではこれを入り口に新型肺炎対策にもケチがつき始めた。例えばマスクの不足を防いだ対策も、輸出を止めてしまったことやもともとバイクで通勤する人が多く日ごろからマスクのストックを個々人が持っていた点などが指摘され始めたのだ。 また4月23日には台湾が30万枚のマスクを支援したベトナムが、その裏で逆にフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリスからカンボジアやラオスにまでマスクを支援していたことが明らかになった。台湾の外交環境が縮小している問題の突破口として打ち出された新政策「新南向計画」も入り口で躓いたかたちだ。
2020.04.28 07:00
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
コロナ「集団免疫」のために 教訓となるスペインかぜ3度の流行
 一向に終息のめどが立たない新型コロナウイルス。感染者増加を食い止めるために、重要だとされるのは「集団免疫」だという。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんが解説する。「ウイルスに感染すると、体内の免疫システムが働いて『抗体』ができます。するとその後、再び同じウイルスには感染しにくくなる。こうした抗体を持つ人が人口の一定程度を占めるようになると、ウイルスが人から人へ移動できなくなり、やがて流行が終息します。これを『集団免疫』と呼びます」 米ハーバード大学公衆衛生大学院の研究チームは、外出規制などで流行と医療崩壊を防ぎながら、徐々に感染者を増やして集団免疫を獲得するまでの期間を予測した。その結果、新型コロナの流行を抑えるために集団免疫を獲得するには、2022年まで「断続的な外出規制」を続ける必要があることがわかったという。『断続的な外出規制』とは、2~3か月の自粛と解除を繰り返す、といった方法だ。◆ワクチンの世界中への供給は3年かかる 集団免疫を獲得するには2通りの方法がある。1つは「結果的集団免疫」と呼ばれる方法だ。 これは多くの人が自然に感染することで、結果的に集団免疫が成立するというもの。前述したハーバード大の試算も外出規制を強めたり解除したりしながら、自然に感染者が増えて集団免疫を獲得することを前提にしている。 新型コロナの発生源になった中国の武漢では、爆発的感染拡大によって集団免疫を得た可能性がある。上海新型肺炎治療専門家チーム長は「武漢の多くの人が免疫を持っているということは、武漢は中国で最も安全な都市ということになる」との見方を示している。 だが、結果的集団免疫の獲得には高いハードルがある。集団免疫を得るまでに多くの人の感染が必要不可欠で、死亡者の増加や医療崩壊が懸念されるのだ。 その困難な道に挑んだのがイギリス政府だった。ボリス・ジョンソン首相は3月、多くの人が集まるイベントの禁止や外出規制をせず、段階的な制限によって多くの人に感染させ、集団免疫を獲得する施策を打ち出した。しかし、国内外から「国民の命でロシアンルーレットをやるのか」との批判が強まると、一転して、ロックダウンやソーシャルディスタンスなどの活動制限に踏み切った。 日本の安倍晋三首相も4月3日に国会で、コロナ対策の方針として「集団免疫の獲得を直接の目的とはしていない」と答えている。 集団免疫を獲得する第2の方法は、「ワクチン」によるものだ。多くの人がワクチンを接種することで免疫をつけることができれば、自ずと集団免疫が成立する。 現在、アメリカと中国を中心に60のワクチン候補の研究が進むとされる。ただし開発に時間がかかるのも事実だ。史上最速で承認されたといわれる「おたふくかぜ」のワクチンは、ウイルスサンプルの収集から認可まで4年を要した。 2002年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)や2012年から登場した中東呼吸器症候群(MERS)もワクチンは開発されていない。1976年に発生したエボラウイルスでさえいまだに、効果的なワクチンや治療法は確立していない。 たとえワクチンが開発されても、終息は難しいという意見がある。昭和大学の二木芳人客員教授(感染症学)はこう話す。「ワクチンが世界中の人にまんべんなく供給されるのは、開発されてから3年以上はかかります。その間にも感染者は増え続けるでしょう。さらにこの感染力の強いウイルスは感染の過程で変異する恐れがある。ワクチンを作っているうちに効かなくなることがあり得ます」 教訓となるのは、ちょうど100年前に流行が終息したスペインかぜだ。 1918~1920年にかけて地球を襲ったスペインかぜでは、当時の世界人口の約3分の1にあたる5億人が感染し、2000万人から4500万人が命を落とした。 内務省(当時)の報告書などによると、日本をスペインかぜの第1波が襲ったのは1918年8月で、翌年7月までに2116万人が感染して25万人が死亡した。その3か月後に2回目の流行が発生し、241万人が感染して12万8000人が死亡。さらに1920年の8月に第3波が到来して、22万人が感染して3600人が死亡した。「なぜか第2波は死亡率が高かった。最初の流行で感染せずに免疫がつかなかった人が命を落としたのか、ウイルスが強力に変異した可能性もあります。 その一方で多くの国民が感染して集団免疫が獲得されると、次第に死亡率が低下しました。それとともに病原性も低下し、スペインかぜは季節性インフルエンザに移行したとされます。当時とは医療態勢が違うものの、国内で3度にわたって流行が発生し、終息まで丸2年かかったことは歴史の教訓として心に刻んでおくべきです」(医療ジャーナリスト)※女性セブン2020年5月7・14日号
2020.04.25 16:00
女性セブン
デモ参加者やメディアによく知られた人物だったという…
武漢で最初に警告発した女性医師 姿消すもSNS投稿続行の謎
 昨年12月、中国・湖北省武漢市における新型コロナウイルス発生の初期段階で、ウイルス感染の拡大に警鐘を鳴らしていた女性医師が今年3月下旬、突然姿を消していたことが明らかになった。この医師は中国や海外メディアの取材に応じて、中国当局が感染当初、情報統制を敷き、何ら対策を講じなかったことを強く批判しており、当局に拘束された可能性が高い。 中国では2月からこれまで、分かっているだけで、当局の情報統制を批判したジャーナリストら計6人の消息が不明になっており、うち1人は党紀違反の疑いで拘束されている。 この女性医師は武漢市中心医院に勤務する艾芬(アイ・フェン)氏で、3月下旬、病院から帰宅する際、姿を消したとみられる。 艾氏は昨年12月、原因不明の肺炎を発症した患者について、重症急性呼吸器症候群(SARS)と同じ種類のコロナウイルスに感染した可能性があるとして、中国版短文投稿SNS「微博(ウェイボー)」のチャットグループの同僚の医師らに報告した。 これを受けて、同じ病院の眼科医、李文亮氏が、大学同級生のチャットグループでこの情報を明らかにした。その後、武漢市警察当局は1月初め、艾氏や李氏ら医師ら8人について、「真偽不明の情報を流して、社会的に混乱を引き起こした」などとして、始末書を書かせて訓戒処分を科した。なかでも、艾氏は病院側の党規律委員会に「最も厳しい叱責」を受けている。 2月に入って、北京から医師団が派遣され、新型コロナウイルスの存在が明らかになると、最高裁判所は艾氏や李氏ら8人の医師の告発は正しかったとして、武漢当局の訓戒処分を無効にした。だが、李氏は新型肺炎患者の治療中にウイルス感染し、2月7日に死亡した。 艾氏は中国共産党機関紙『人民日報』傘下の時事週刊誌『人物』の取材に対して、これらの経緯を暴露するなど、武漢当局の隠ぺい体質を非難。艾氏はさらに、米政府系報道機関「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」や「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」、オーストラリアのテレビ局「ナイン・ネットワーク」な海外メディアの取材にも積極的に応じて、中国側の内情を明らかにするなどした。そのため、中国当局も艾氏の言動を看過できなかったようだ。『人物』誌の記事はネット上から削除され、同誌自体も書店から消えた。 艾氏の「微博」アカウントでは本人の名前で投稿が更新され続けているが、VOAは「投稿は艾氏本人が行っているかどうかは疑わしい。中国当局は艾氏の微博アカウントのパスワードを教えるよう強要し、第3者が投稿を続けている可能性が高い」と報じている。
2020.04.19 07:00
NEWSポストセブン
桐谷まつりが実践する「正しい手の洗い方」と「業界の対策」
桐谷まつりが実践する「正しい手の洗い方」と「業界の対策」
 コロナウイルス騒動で、改めて重要性が認識されたのが“手洗い”だ。感染症対策のための「正しい手洗い」を紹介。新型コロナウイルスを撃退しよう。(1)全体的に濡らした手にハンドソープを乗せて馴染ませつつ、手の平をよくこする。(2)手をこのように重ね、手の甲側を洗う。右と左と交互にしっかりこする。(3)手の平の上に指先を立ててこすり、爪の先や爪と指先の間もしっかりこする。(4)手の平を合わせ、指の股の汚れも落とすよう、音がなるまでこする。(5)親指を手の平で掴んでねじり洗いする。左右交互にどちらの親指も丁寧に洗う。(6)仕上げは手首洗い。親指と同じように手首を掴んでグリグリとねじり洗いする。 感染症対策にとりわけ神経を尖らせている業界もある。今回の「正しい手洗い」撮影に挑戦したセクシー女優の桐谷まつりはいう。「もともと外出先から室内に入った時は、必ず手洗いとうがいをしてきましたが、手洗いはここまできっちり丁寧にはしていませんでした。なので今回正しい手洗い法を身につけることができ、いい経験になりました。最近の撮影現場では全出演者だけでなくスタッフも検温と手洗いとうがいを行なってから撮影に挑んでいます。今後もこの意識をしっかりと持って、新型肺炎だけでなくあらゆるウイルス性感染症の予防に努めます!」※週刊ポスト2020年4月24日号
2020.04.17 16:00
週刊ポスト
高齢の人は感染可能性がある場所への外出はリスクがある
高齢者の感染予防「60代以上は家から出してはいけない」
 新型コロナウイルス感染が拡大するなか、懸念されるのが「医療崩壊」だ。すでにイタリアやスペインでは、新型肺炎に対応する医療従事者や病床などが圧倒的に不足し、処置できずに息絶えていく患者も少なくないという。3月30日現在、感染者数は8万5000人を超えて死者数は7340人。イタリアは感染者数10万1000人で死者は1万1591人。 ヨーロッパの現状は決して対岸の火事ではない。なぜなら日本は65才以上が人口に占める割合が28.4%と、イタリアを抜いて、世界1位を誇る「超高齢化社会」だからだ。 それゆえ、日本の病院や高齢者施設でオーバーシュート(感染爆発)が生じて高齢者の感染者が激増すると、イタリアやスペイン以上の深刻な危機に陥る恐れがある。 高齢者はもともと肺炎で死ぬリスクが高いうえ、感染爆発によってベッドや人工呼吸器などの医療資源が不足すると、「もう死んでもらうしかない」という事態がやって来る恐れがある。医療崩壊したイタリアとスペインではそのような状態になった。 そうした事態を避けるために何より大切なのは、高齢者を感染させないことだ。「そのために大事なのは、高齢者がなるべく家から出ないことです」と指摘するのは血液内科医の中村幸嗣さん.「感染した際のリスクが高い高齢者ほど屋外での活動を自粛してもらいたい。同居したり、近くに住んでいる家族がいる場合は食料品や日用品の買い出しを代わりに行ってもらうのがベターです。この時期は病気が落ち着いていれば、持病の薬も受診せずに家族が代わりに取りに行くことも認められています」(中村さん) 感染させないためにも、60才以上は家から出してはいけない。ただし、高齢者と家族の接触時間もなるべく減らすことを求められる。「若年層に多い、無症状の感染者が高齢者にうつすリスクを避けたい。高齢者と家族が直接、接することはなるべく控え、電話やメールでの会話を心がけてほしい。万が一、高齢の親にうつしてしまうと悔やんでも悔やみきれません」(中村さん) 超高齢化社会の日本では、家族と生活を共にしない「独居老人」の存在も気にかけるべきだ。全国には65才以上の人々が600万人、東京だけで60万人いるという。「いまこそ地域社会の結束が問われています。難しいことかもしれませんが、近所に独居の高齢者がいれば、何か困っていることはないか声をかけたり、気を使ってほしい。できるだけ高齢者が外出をせずに暮らしていけるよう、行政の目配りはもちろん、隣近所の助け合いが必要なのです」(厚労省関係者) とにかく他人との接触の機会を減らすこと、それは家にこもることにほかならない。ただ、その一方で、体力や筋力の維持にも気を配りたい。 医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんが指摘する。「高血圧などの持病がある高齢者がずっと家の中にいると症状が悪化します。これは東日本大震災の原発事故後に福島で生じたジレンマで、高齢者はどこかで体を動かした方がいい。室内での運動が望ましいですが、夜間に近所を散歩するくらいならリスクは低いので、極力体力を落とさない工夫をしてほしい」 もちろん、外から帰宅した際は手洗い、うがいを徹底することが重要だ。※女性セブン2020年4月16日号
2020.04.05 16:00
女性セブン
デモは収まる気配無し
香港行政長官、禁酒令やイスラム寺院閉鎖で大ブーイング
 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、香港にあるレストランやバーなど約8600の飲食店でのアルコール類の提供や、店舗での酒類販売を一時禁止する方針を決定。これについて一部の飲食店や店舗は、経営難に追い打ちをかけるなどとして反発。また、市民からも「アルコールと新型肺炎とは関係がない。禁酒令は前代未聞の悪法だ」などとして、禁酒令に断固反対している。 香港では過去に酒類販売が一部制限された過去がある。1960年代に中国共産党政権に影響を受けた左派グループが「英国の植民地支配反対」とのスローガンを掲げて大規模な反英運動を展開。政府機関を爆破するなどのテロ活動を活発化させた際に一時制限したのだが、全面的な「禁酒令」は今回が初めて。「林鄭長官はエリート官僚出身だけに飲酒には厳しく、酒を飲む庶民の心が分からない」などの批判が出ている。香港メディアが報じた。 香港では中心部の「中環(セントラル)」地区のバーやレストランが集中する一角の「蘭桂坊(ランカイフォン)」区域で2月から3月中旬にかけて、毎日数人ずつ新型コロナウイルス感染者が確認されており、香港政府は危機感を強めていた。 林鄭長官は香港国際空港で25日から2週間、香港居住者以外の入境を原則禁止するとともに、乗り継ぎ業務を停止すると発表した。中国本土やマカオ、台湾からは入境できる場合もあるが、香港居住者を含め全入境者が2週間、強制隔離される。 これらの措置以外にも、林鄭長官は香港内で実施される特別な措置のなかに、今後当分「禁酒令」を施行することを発表した。これについて、香港メディアはテレビや新聞のいずれも「極めて異例な措置」や「香港発の禁酒令」「アメリカのアルカポネ時代に逆戻り」などと報じたメディアも出るなど、大きな反響を呼んだ。 ネット上では、「林鄭長官が2月下旬に新型肺炎対策で、香港市民1人当たりに1万香港ドル(約14万2000円)を支給するなど生活や経済面の支援強化策を打ち出した時には、立派な政治家で、庶民の心が分かっていると思ったが、今回の禁酒令は幻滅だ。やはり、彼女はエリートだけに、庶民の心が分かっていない」など長官批判の書き込みがみられる。 また、林鄭長官は新型肺炎対策でイスラム教徒から総スカンを食っている。香港の九龍半島随一のイスラム教寺院を当面閉鎖したからだ。この寺院は100年以上続いており、香港中のイスラム教徒が礼拝に訪れており、毎日5回礼拝時には少なくとも200人以上が参加する。そのため、信者の濃厚接触から感染者が絶えず、クラスター感染の危険があるとして、閉鎖のやむなきに至ったが、林鄭長官は香港のイスラム教徒から「信教の自由を侵害した」などとして批判の対象となっている。 こうした命令について、「一部地域での禁酒とか、寺院内での濃厚接触を避けるために間隔を2m開けるなどの適度な措置を講じていれば、反発は抑えられただけに、ラム長官の高圧的な姿勢が裏目に出た形だ」などの批判が出ている。
2020.04.04 07:00
NEWSポストセブン
イタリアでは病床数が足りず、簡易ベッドでの治療が続けられる(写真/アフロ)
イタリアの窮状「老人は死んでもらうしかない」が暗黙の了解
 世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。ウイルス感染による肺炎は、高齢者ほど重症化しやすいといわれている。 日本感染症学会と日本環境感染学会の発表によると(2月26日時点)、中国人患者の死亡率は40代までは1%を切っていたが、50代になると1.3%になり、60代になると3.6%と急増。そして、70代になると一気に8%まで上がり、80代では14.8%となった。この結果からわかるように、高齢者ほど死亡率は高くなる。 小池百合子都知事が外出自粛を呼びかけた3月末の週末、都内の大学病院を訪れた60代男性が不安そうに打ち明ける。「小池知事の要請もあって本当は外出を控えたかったけど、持病の高血圧の検査があるので仕方なく受診しました。幸い、今回は病院に来る人が少なくてホッとしましたが、持病があるからこれから先も通院しないといけない。待合室で咳をする人がいるだけで、ドキリとします…」 男性の心配は杞憂ではない。現在、日本各地で院内感染が頻発している。 3月28日に東京都で感染が確認された63人のうち、ほぼ半数の29人は永寿総合病院(台東区)の患者だった。院内感染者は3月30日現在で96人に達している。 都内ではほかにも慶応病院や国立がん研究センター中央病院などで院内感染が発生し、全国では兵庫県、群馬県、茨城県などの病院で感染が確認された。「院内感染の特徴は高齢者が多いこと。そもそも通院したり、入院している患者の多くは持病を持つ年配の人たちです。医師や看護師などを媒介に、体力が低下し、持病を持つ高齢者から感染していきやすい」(医療ジャーナリスト) 高齢者施設での感染増加も不安材料だ。兵庫県伊丹市の介護施設「グリーンアルス伊丹」では利用者25人と職員7人の感染が確認された。家族を含めると施設に関連する58人が感染し、70代から80代の男女9人が亡くなった。 もちろん若年層であっても、徹底して感染対策を取ることは大切だ。ただ、60才以上の高齢者の感染拡大は、前出のデータの通り、その重症化リスクの高さから、命を守るためにさらに徹底的に防がなければならない。 さらに懸念されるのは、重症者が増えれば増えるほど、「医療崩壊」を招く恐れがあるということだ。 ヨーロッパの現状がその事実を物語っている。アメリカ、イタリアに次いで3番目に感染者が多いスペインでは、すでに医療崩壊が現実のものとなっている。「感染者は9万人を超える勢いで、死者は7000人を超えました。死亡者は70才以上が多く、病院の集中治療室で治療を受けている患者の約7割は60才以上です」(スペイン在住ジャーナリスト) スペインではフェリペ国王の親戚で、女性の権利や社会主義活動家として知られた「赤い王女」マリア・テレサ王女も新型コロナで死去。86才だった。 バルセロナのサンパウ病院に勤務する、呼吸器科医のダビド・デラロサさんが言う。「病院には500床あるのですが、そのほとんどがコロナ患者で埋まっています。現在、1人の医師が8人ほどの患者を診ており、医師の数が足りないので呼吸器とは関係のない専門外の医師らが応援に駆けつけている状況です。 私が診ている一般患者の病棟は、本来、集中治療室にいてもおかしくない患者であふれています。あまりにも重症患者が多く、症状が改善しても12~24時間以内にぶり返してしまう。こんなにも絶望的なことはありません。二十数年間、この仕事をしていますが、こんなにたくさんの重症患者を短い時間で診たのは初めてです」 そうした状況でやむを得ず進むのが「患者の選別」だ。「新型肺炎に対応する医療従事者や病床、人工呼吸器などの医療設備が圧倒的に不足しています。そのため医師らは治療の優先順位を迫られ、回復の見込みが薄い年配者よりも若者の医療を優先しています。つまり、誰を救って、誰を見捨てるのかという選択です。苦渋の決断です」(前出・スペイン在住ジャーナリスト) さらに悲惨なのは、65才以上が人口の23%を占めるイタリアだ。感染者は10万人、死者は1万人に達する。「被害拡大が進む北部ロンバルディア州の地元紙は訃報欄が10ページに達するほどです。増え続ける患者に病院ではベッドが足らず、人工呼吸器をつけたままの感染者が廊下や待合室などに横たわっています。さらに患者が次々と運び込まれても人工呼吸器が足りないため処置ができず、毎日何十人もが肺炎の苦しみのなかで息絶えています」(イタリア在住記者) イタリア国立衛生研究所によると、ウイルス感染で亡くなる患者の約9割が70才以上だ。そうした状況でスペインと同じく、「患者の選別」が進んでいる。 ロンバルディア州ベルガモの看護師は、欧州メディアの取材にこう答えた。《人工呼吸器を誰に装着するか決めねばならない。80~95才で(肺など)呼吸器に問題がある患者なら、措置はしない。3つ以上の中枢器官に疾患があれば、致死率100%ということだ》 前出のイタリア在住記者が指摘する。「被害が集中するベルガモの病院の中には、70才以上の患者の集中治療室受け入れをほぼすべて断っている病院もあります。現地の医療従事者の間では、“高齢者は死んでもらうしかない”が暗黙の了解なのです」※女性セブン2020年4月16日号
2020.04.02 07:00
女性セブン
習近平国家主席の辞任報道で交錯する様々な思惑とは
米法律事務所、コロナで中国への巨額損害賠償裁判提起の根拠
 米国では新型コロナウイルスの感染者数が急増し、中国やイタリアを上回り世界最多となっている。そのような状況なだけに、米国や世界各国で新型肺炎が拡大したのはウイルスの発生源の中国の怠慢であるとして、米国の法律事務所が中国政府に数十億ドル規模の損害賠償を求める集団訴訟を起こしたことが明らかになった。米政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。 この法律事務所は米フロリダ州のバーマン・ロー・グループで、原告はフロリダ州の住民4人らと同州ボカラトンにある野球選手のトレーニングセンター。 彼らの代理人として事務所が提出した訴状は20ページに及んでいる。それによると、原告側は「中国政府、中国衛生当局、湖北省政府、武漢市政府は新型コロナウイルスの危険性と大流行になる恐れがあると知りながら、直ちに対策を講じなかった」と前置きしたうえで、「経済的利益のために、感染情報を隠ぺいし、多くの人々に身体的・心理的な傷を負わせ、多大な損失をもたらした」と指摘している。 法律事務所の共同設立者であるラッセル・バーマン氏は米メディアに対して、「中国当局は新型肺炎の世界的なまん延を引き起こした」と中国の対応を激しく批判している。原告団には新型コロナウイルスの感染者は含まれていないが、バーマン氏らによると「ウイルスの感染者が今後、原告団に加わる」ことを明らかにしている。 しかし、国際法では、国際民事訴訟において、被告が国または下部の行政組織の場合、外国の裁判から免除されるという「外国主権免責」条項がある。これは国際慣習法の一つであり「国家免除」「裁判権免除」とも呼ばれている。 これについて訴状では、「外国主権免責」の例外として、商業活動をともなう米国領以外での行為や、人身傷害および死亡に関する行為などが挙げられている。新型コロナウイルスは中国湖北省武漢市が感染の発生源との見方が強いことから、このウイルス感染によって米国の国民が死亡したり、病気になった場合、「外国主権免責」の例外となる可能性があるという解釈だ。 さらに、一部米メディアはバーマン法律事務所の担当者の話をとして、中国当局が集団訴訟の判決に応じない場合、「(米の裁判所は)すでに合意された米中間の関連条約に基づき、米国内の中国当局の銀行口座を凍結するなどの措置を講じることになろう」と伝えている。
2020.04.01 07:00
NEWSポストセブン
百田尚樹氏、「後出しジャンケン」で政府批判する人たちに苦言
百田尚樹氏、「後出しジャンケン」で政府批判する人たちに苦言
 新型コロナウイルス問題をめぐり、これまで安倍晋三首相の“応援団”の代表格と見なされてきた保守派論客が「政権批判」に回ったことが世間を驚かせた。作家・百田尚樹氏は2月21日、ツイッターでこう呟いた。〈安倍総理はこれまでいいこともたくさんやってきた。/しかし、新型肺炎の対応で、それらの功績はすべて吹き飛んだ〉 なぜ百田氏は、厳しい批判を繰り広げたのか。雑誌『ニューズウィーク日本版』で特集「百田尚樹現象」(2019年6月4日号)を執筆したノンフィクションライターの石戸諭氏が、その真意を質した。──今回の感染拡大については、リベラル派からも「安倍政権の人災」という声が上がりました。百田:そういうアホとは一緒にされたくないですね。野党の連中の目的は政府批判だけ。国のことなんか考えていない。その証拠に1月の時点で、国会では「桜を見る会」ばかりを取り上げていました。立憲民主党の福山哲郎(幹事長)は春節前に観光客を止めたら観光業界が大ダメージを食らうと言っていたくらいです(*注)。【*注/1月26日のNHK番組で、「日本の観光産業に相当大きな打撃が出る」などと発言】 3月になって「政府の対応が遅い」と批判しても後出しジャンケンです。 要するに、メディアも国民も野党も政府も誰も危機感がなかった。最初から大騒ぎしていた私に対して、ツイッター上では「素人が黙れ」「危機を煽るな」っていうような雰囲気やったからね。それで今になって安倍政権批判をしても、筋が通っていないと思いますね。私がずっと言っているのは、未知の感染症は怖いということなんです。──しかし、「8割は軽症に留まる」というデータも報道されていますよ。百田:それは後でわかったことです。初期の段階ではリスクを大きく取るのは危機管理の常識だと思います。それに「8割軽症ならたいしたことないな」と思う人もおれば、「えっ2割が重症になるの? それは怖いやん」と思う人もいますよね。高齢者はリスクが高いと言われれば、高齢者も家族も怖いでしょう。 専門家と称する人は言うことがバラバラでした。中には、時期によって真逆のことを言う人もいました。これのどこが専門家かと。 あと経済が、経済がって、経済と命のどっちをとるんやと言う人もいました。中国人観光客を止めたら、それで旅館がつぶれたり、観光業界が打撃を受けるかもしれない。それで死ぬ人もいる。それでもいいのか、と。 ちょっと待ってくれと言いたい。たしかに観光客を止めることによって多少の経済的なダメージを食らいます。しかし、それをしないことによって、より大きな経済的ダメージを食らう可能性がある。そうすると、より多くの命も経済も駄目になる可能性があるというのが私の考えです。◆五輪中止の危機感はあるか──五輪についてはどうでしょうか。中止すべきだと考えていますか。百田:いや、それは経済的なダメージがでかすぎます。本当に不況で自殺者が出る事態になるでしょう。それに国民の失望も大きい。私が中止について2月20日にツイッターで〈もう東京オリンピックはないね〉と書いたのは、安倍政権に対する叱咤激励です。最終的にはIOCが決めることやけど、政府はそれくらいの危機感を持つべきだ、という。──現時点でも景気への影響は深刻です。消費税の減税を求める声が一部野党だけでなく自民党内からも上がっています。百田:野党と一緒にされるのは嫌ですが、私は消費税については昔から大反対です。なくすならなくした方がいい。去年、総理と会食した時も増税すべきではないと伝えています。──百田さんの目から見て、今の安倍政権は危ないと思いますか。東京五輪が中止になれば安倍政権は吹っ飛ぶという声が上がっています。百田:危ないとは思いますよ。まだどうなるかわかりませんが、政治は結果ですから。このまま新型コロナの感染が収息すればええけど、感染が拡大して、結果的に経済活動に大きな支障が出たとしたら、政権としては大失敗でしょうね。※週刊ポスト2020年4月3日号
2020.03.27 16:00
週刊ポスト
百田尚樹氏 中国人受け入れ拒否発言に安倍支持者が強烈批判
百田尚樹氏 中国人受け入れ拒否発言に安倍支持者が強烈批判
〈安倍総理はこれまでいいこともたくさんやってきた。/しかし、新型肺炎の対応で、それらの功績はすべて吹き飛んだ〉 これは、これまで安倍晋三首相の“応援団”の代表格とみなされていた保守派論客・百田尚樹氏による2月21日のツイートだ。なぜ百田氏は、厳しい批判を繰り広げたのか。雑誌『ニューズウィーク日本版』で特集「百田尚樹現象」(2019年6月4日号)を執筆したノンフィクションライターの石戸諭氏が、聞いた。──率直なところを伺います。当初、安倍首相の方針に異を唱えましたが、では百田さんにとって安倍首相の他にこの人なら大丈夫だと思える政治家はいますか?百田:安倍さんは今のところ、私が見る限りベストに近い総理です。これ以上の政治家は今の日本では見あたらないでしょう。野党政治家なんて論外です。その安倍総理でもこのくらいの対応しかできないのか、という失望がありました。安倍さんにはきついことは言いたくないけど、でも、これはあかんやろと考えて、ネット番組でも批判しました。 感染が拡大する前は、日本中が「まぁこのくらいなら大丈夫だろう」という感覚だったでしょう。国全体が「大丈夫」だという認識のもと、情報を集めていた。正常性バイアス(自分に都合のいい情報を集め、それ以外の情報を過小評価すること)があったというのが私の見方です。1月の時点ではメディアも識者も大衆も楽観していました。もちろん政府もです。国民の見識以上の総理は現われませんから。 平時の政治家はだれでもできるっていうのは私の持論です。有事の対応にこそ、政治家の本当の器が出ると思っています。私がツイッターで中国人観光客を受け入れるなと言ったら、「サヨク」だけでなく、「安倍政権支持者」からも強烈な批判を受けました。政権の足を引っ張るな、というわけです。 でも私は自分が言いたいことを言っただけ。政権に影響を与えたいという気持ちはまったくないです。※週刊ポスト2020年4月3日号
2020.03.26 16:00
週刊ポスト
百田尚樹氏、中韓批判姿勢が「ヘイトスピーチでは」に答えた
百田尚樹氏、中韓批判姿勢が「ヘイトスピーチでは」に答えた
 新型コロナウイルス問題をめぐり、これまで安倍晋三首相の“応援団”の代表格と見なされてきた保守派論客が「政権批判」に回ったことが世間を驚かせた。作家・百田尚樹氏は2月21日、ツイッターでこう呟いた。〈安倍総理はこれまでいいこともたくさんやってきた。/しかし、新型肺炎の対応で、それらの功績はすべて吹き飛んだ〉 なぜ百田氏は、一転、厳しい批判を繰り広げたのか。雑誌『ニューズウィーク日本版』で特集「百田尚樹現象」(2019年6月4日号)を執筆したノンフィクションライターの石戸諭氏が、その真意を質した。──百田さんは中国や韓国に対して日常的に激しい言葉で批判している。嫌韓、嫌中色が強く、時に「ヘイトスピーチ」的だとまで言われています。この延長で入国制限せよと言っているのではないですか。百田:それはまったく違いますね。感染症対策はあくまで有事です。中国からの入国制限だって、世界中の国がやっています。私の主張はそれと変わりません。そもそも私はヘイトスピーチはしていません。「サヨク」の悪質なイメージ操作です。 私は単なる一市民として、自分の感じることはツイッターとか、いろんなところで、一切枷をはめずに言うていく。それだけの話です。──結果的に、日本政府は3月9日から中国・韓国からの入国制限を実施した。自分の言った通りになった、と思いますか。百田:私が言った通りになったからといって、それは自分の影響だなんて思いませんよ。前から総理が考えていたことでもあるでしょうし。 一つ言えるのは、総理と2月28日に会食した後、私と有本香さん(ジャーナリスト)は帰りのタクシーで「もしかしたら、習近平の来日はなくなるかもしれんなぁ」という会話はしました。そういうニュアンスを感じたということです。──会食後、安倍首相への批判のトーンは弱まっています。今でも批判したいと思いますか。百田:もっと早く中国人観光客の受け入れを制限すべきだったと思います。入国制限しなかった1月と2月はまったく評価できないですが、もう、過ぎたことを言っても仕方がない。現時点の最善策を取ることが大切です。 全国一斉休校の要請にしても遅きに失したとはいえ、韓国と中国への渡航制限も、習近平の国賓待遇の来日見送りも評価しています。今はベストを尽くしてると思います。──休校要請については、エビデンスに欠けている政策だと批判も強いですし、私も経済への悪影響が出ることも含めて、やる必要はなかったという立場です。百田さんはどこを評価しているのでしょうか。百田:学校の休校要請っていうのは、やっぱり、相当なもんやと思っています。ほかの政治家ではビビッてできなかったんじゃないでしょうか。エビデンスに欠けるという批判ですが、そもそも未知の感染症に対してエビデンスなんかないですよ。総理がリーダーシップをとって、果敢に休校をとりあえずやってみて、感染を防ぐという成果が出たらいいじゃないですか。──評価はリーダーシップにあるということですか?百田:そうです。こういうことに関してはやっぱり、果敢にやらないといけないでしょう。官僚っていうのは自分から決めませんからね、絶対に。※週刊ポスト2020年4月3日号
2020.03.24 16:00
週刊ポスト

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