重症化する年齢については、従来の説が揺らいでいる。
日本感染症学会と日本環境感染学会の発表によると(2月26日時点)、中国人患者の死亡率は40代までは1%を切るが、50代になると1.3%、60代になると3.6%まで伸びる。さらに70代になると8%まで急増し、80代では14.8%に達した。
それらの結果からこれまで「高齢者ほど危ない」「子供は重症化しにくい」とされたが、状況は変わりつつある。
福岡市では3月30日に20代の母親と0才女児の新型コロナ感染がわかった。山梨県では0才女児が3月31日に一時心肺停止状態となり、搬送先で感染が確認された。医療ジャーナリストの鳥集徹(とりだまり・とおる)さんが説明する。
「これまで子供は“重症化しにくい”とされてきましたが、“重症化しない”わけではありません。インフルエンザと同じく、乳幼児や小児にも一定の重症化リスクがあることを忘れてはいけません」
気になるのは、低年齢の小児ほど重症例の割合が多いと報告されることだ。
上海の大学の研究チームが中国全土で感染確認と感染疑いのある小児2143例を分析。その結果、低酸素血症や臓器不全などを併発して重症化したケースの割合は、1才未満で10.6%、1~5才で7.3%、6~10才で4.2%、11~15才で4.1%、16才以上で3.0%だった。
幼児は充分な時間をかけて、さまざまな病原菌やウイルスに対する反応を発達させていないからだという。日本小児科学会も公式サイトで《子どもの感染者数は成人と比べると少ないですが、感染しやすさは成人と変わらないこともわかってきました》と説明している。
※女性セブン2020年4月23日号