当時、事務所前に駐車してある事務所のワゴン車にも、思う存分3人への愛を叫ぶ落書きが

 そんな中、誰も期待していなかった『たのきんトリオ』が大ブレークを果たす。

「新御三家(郷ひろみ、西城秀樹・享年63、野口五郎・64才)以来の男性アイドルをみんなが待ち焦がれていたところに、彼らが登場したわけです。彼らはそれまでのきらびやかな“ザ・スター”と比べ、とても普通っぽかったので、大人たちの多くは、誰も人気が出るとは思わなかったのでしょう。でも、彼らの場合、そこが逆によかったのだと思います」

 実際、人気音楽番組『レッツゴーヤング』(NHK)で田原俊彦をレギュラーに起用したプロデューサーは、「素人っぽいけれど手垢のついてない新鮮味がある」とその理由を説明し、ドラマ『3年B組金八先生』で共演した三原じゅん子(55才・現参議院議員)も、「3人とも身近にいる、どこにでもいる人たち。お芝居と普段と全く一緒。話していてとても楽しい」と当時のインタビューで語っている。

「当時は毎日どこかのチャンネルで音楽番組を放送していて、音楽祭も全局でやっていた華やかなりし時代。彼らはいまでいうところのグループではなかったので、お互いすごくライバル意識がありました」(前出の山田さん・以下同)

 あの頃、まだCDもない時代。ファンはテレビの前にラジカセを置いて録音しては自分の部屋でひとり聴いていた。それでよかったのだ。

「SNSもないし、アイドルのプライベートなんて、みんな知りたいと思わなかったんです。女性アイドルの好きな食べ物も、“なんとかパフェ”でよかった。それに、当時はアイドルではなく“スター”と呼んでいましたね。星のようにキラキラしてる人たちっていう意味で。常にトップを目指して頂上で輝いていたという意味でも、たのきんトリオは最後のスターだったかもしれません」

 たのきんトリオ解散後、近藤はジャニーズ事務所に残ったが、野村は『THE GOOD-BYE』活動休止後の1990年に、田原は結婚の翌年の1994年に事務所を辞めている。

 ジャニーズ事務所の危機を救い、一大帝国へと導いた彼らは、それぞれ違う道を歩き始めたのだ。

※女性セブン2020年8月13日号

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