2017年、婚約が内定し秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さんが記者会見をされた(時事通信フォト)

2017年、婚約が内定し秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さんが記者会見をされた(時事通信フォト)

「もうネットで自分からは何も発信してないよ。せいぜい買い物したりニュース見たり、あと昔のサイトを覗くぐらいかな。昔よく行った掲示板はどこも過疎ってるし」

 信次さんはもうネットで昔のような面白おかしいことはやっていないという。年をとったというべきか、老兵は静かに去ったというべきか。意味合い的には2ちゃんねる創設者のひろゆき氏が最初に書き込んだと記憶するが、面白い人が面白いことをして、それを面白くない人が見に来て、その面白くない人が面白くないことをし始めて、面白い人が見切りをつけて去り、面白くない人だらけになって終わる ―― この繰り返しの果てにあるのが現代のインターネットだと信次さんは力説したが話が長い上に早口なので割愛する。

「昔の眞子さまの萌え化に加担しといてなんだけど、皇室離れってあり得るんじゃないかな。みんなウンザリしてると思う。でもそのきっかけが眞子さまって、なんだか悲しいね」

 皇室のアイドル、平成のプリンセスとして、いにしえのネット民に愛された眞子さま――現在の婚約者へのバッシングたるや隔世の感があるが、2000年代に暴れたネット民の大半も年をとるわけである。信次さんは50代、筆者だって来年には50歳の仲間入りだ。

 信次さんは以降、「令和の道鏡」と呼んで眞子さまのお相手を罵り続けたが、これもまた長い話かつ不敬の極みなので割愛させていただく。

「でも、その辺の男でもきっかけさえあれば姫さまと結婚できるってことだよね、俺でも。未婚独身だし」

 だからといって佳子さまや愛子さまを狙われても困るし信次さんが皇族とか宮家なんて絶対イヤだが、なるほど自由恋愛だから誰にもチャンスがあるのは事実、この点は女性天皇や女性宮家を心配する人たちの気持ちもわかる。信次さんは「ネタだよネタ」と笑ったが、現在の眞子さまに関してはもう「ネタ」では済まない状況、皇室の存続すら疑問視されるような次元に至ってしまった。あんなに愛された“マコリンペン”だったのに。

「お国の大切なお姫さまを“マコリンペン”なんて呼んで萌え化したこと、昔バカやったなあ、って笑って振り返るはずだったのに、こんな悲しい気持ちで振り返ることになるなんてね。とにかく幸せになってほしい」

 なんとも複雑、すっかり父親の気持ちになっているような気がする信次さん。それは眞子さまやマコリンペンへの思いとともに、当時のインターネット文化に対する郷愁も混じっているのだろう。「昔は良かった」という親世代の口ぐせを罵った私たちも、同じように「昔は良かった」と思う時が来たということか。

 今年、お前らの“マコリンペン”こと「俺たちの眞子さま」は30歳をお迎えになる ―― 。

【プロフィール】
日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。角川書店「コンプティーク」編集部などを経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞評論部門奨励賞受賞。著書『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)、共著『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)他。『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太に愛されたコミュニスト俳人 』(コールサック社)6月刊行予定。

関連記事

トピックス

体調を見極めながらの公務へのお出ましだという(4月、東京・清瀬市。写真/JMPA)
体調不調が長引く紀子さま、宮内庁病院は「1500万円分の薬」を購入 “皇室のかかりつけ医”に炎症性腸疾患のスペシャリストが着任
女性セブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
睡眠研究の第一人者、柳沢正史教授
ノーベル賞候補となった研究者に訊いた“睡眠の謎”「自称ショートスリーパーの99%以上はただの寝不足です」
週刊ポスト
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
現役を引退した宇野昌磨、今年1月に現役引退した本田真凜(時事通信フォト)
《電撃引退のフィギュア宇野昌磨》本田真凜との結婚より優先した「2年後の人生設計」設立した個人事務所が定めた意外な方針
NEWSポストセブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン
【中森明菜、期待高まる“地上波出演”】大ファン公言の有働由美子アナ、MC担当番組のために“直接オファー”も辞さない構え
【中森明菜、期待高まる“地上波出演”】大ファン公言の有働由美子アナ、MC担当番組のために“直接オファー”も辞さない構え
女性セブン