当時と令和のいまで何が違うのか。それはSNSの三文字だね。私が雀荘で留年中の学習院生から聞いたような話は、いまなら写真や動画とともに1秒で世間に拡散される。こういう時代に、私たちが抱いている皇族の品位を保つのがどれほど難しいか。
で、思うに、小室圭さんてよくも悪くも上昇志向のあり方が「令和」なのよね。たとえば学校はインターナショナルスクールで、大学も国際基督教大学。東大じゃない。日本の銀行に勤めたものの、アメリカで就職して結婚生活を送る。皇族と結婚するにはそれなりの覚悟があるはず、と思うのは私たちの勝手で、本人はまったく違うことを考えているのではないかしら。
それは圭さんの母親の佳代さん(55才)もそう。
だって、一人息子が皇族と縁を結びそうと思ったら、普通は何がなんでもボロ隠しはしたでしょうが。私なら相手が「400万円」と言ってきたら、手元にあるお金をかき集めて渡して、後は分割にしてもらうかな。いや、相手だってちゃんと誠意をもって現状を話したら、棒引きにしてくれるかもしれない。借金か? 贈与か?って、皇族と交際している息子に文書で出させたことからして、計算高い人とは思えないんだよね。
しかし、おふたりにとって、問題はこれから先だよね。思うに、おふたりが実際にお会いしてリアルに交際した期間はそう長くなかったはず。「生きていくために必要な選択」と公表したものの、ほとんどがメールやテレビ電話でのやり取りで、言ったらナンだけど、そこまで振りかぶるほどのものじゃないように思える。
体臭からクセまで、リアルなつきあいを深めると、愛を感じる時間より「え~、ウソ~、マジ? 信じられない!?」って衝撃を受ける時間の方が増えてきて、そこからスタートして、アレコレあってから「生きていくために必要な人」かどうかがわかるものなのに……って、あっ、失礼。こういう心配をすることを老婆心っていうんだね。眞子さまが小室圭さんと苦労をしたいという願いを誰が止められよう。
ちなみに、うちに来ている介護ヘルパーのOさんは、「これで皇室が大きく変わるんじゃないですか。それはそれでいいと思いますよ」とおふたりの結婚を前向きにとらえている。こういう意見がこれから増えてくるかもね。
大きく時代が変わるときに、皇室のあり方も変わっていいと思う人と、いや、変わらないから皇室なんだと思う人。私はいまのところは後者だけどね。
【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。
※女性セブン2021年10月21日号