腸の名医として知られる松生クリニック院長の松生恒夫さんは、納豆が持つ効能をこう説明する。
「まず原材料の大豆が非常に優秀です。たんぱく質が多く、リノール酸という必須脂肪酸が含まれているのでコレステロール値を下げてくれる。食物繊維による整腸作用が期待できるうえ、腸内のビフィズス菌の餌となるオリゴ糖を摂取することもできます。腸の健康にはうってつけで、それが健康寿命を延ばすことにつながるのです。
さらに女性ホルモンと似た作用をするイソフラボンも含まれているため、特に閉経後の女性にとっては強い味方になる。火照りなどの更年期症状や骨粗しょう症、メタボリックシンドローム、乳がんなどの予防に加え、美肌を保つ効果もあります」
その大豆を蒸した後、納豆菌で発酵させた納豆には、さらなる健康・美容パワーがプラスされているという。
「納豆菌が持つナットウキナーゼという酵素には血栓をできにくくする効果があり、脳梗塞や心筋梗塞など血管系の病気予防になります。また、あのネバネバはポリアミンと呼ばれるアミノ酸がつながったもので、細胞の成長因子として働き、細胞を活性化することで体を元気にしてくれます」(松生さん)
ちなみに納豆の粒の大きさによる栄養の違いはほとんどない。
※女性セブン2022年9月15日号