最初に黒島さんの顔が浮かんだのは、どんなドラマが酷評されようと、主演を演じた黒島さんが司会を務めるだろうと、漠然と予測したからに他ならない。だが沖縄返還50周年に合わせ沖縄を舞台にしたこの朝ドラ、脚本に対する評判がすこぶる悪かった。各回放送終了後には、毎日のようSNSで「#ちむどんどん反省会」が盛り上がったというのだから、黒島さんを起用するわけにはいかなかったのだろう。
次に浮かんだのは小池さん。今回の大河ドラマで唯一初回から最終回まで出演している女優であり、政子という要の役を感情の機微を細やかに伸びやかに演じ、存在感を見せている。MCとしての経験も豊富だし、大河ドラマの一ファンとして、夫婦を演じた大泉さんと小池さんによる息のあった面白おかしい司会を見たいという期待があった。ネットでも同じような声が上がっていたようだ。
この期待が裏切られた理由を、あるメディアは紅白の若年層重視だと報じている。確かにこのところ、紅白ではYouTubeなどの動画配信を中心に活動するアーティストの出場が増え、若者シフトになってきている。それに合わせ、若者に人気の高い橋本さんを司会者に抜擢したということらしい。
なるほど女優としてベテランの小池さんは、若者シフトのNHK紅白の司会には合わなかったのかもしれない。他を見回しても今回の大河では主役級の女優に若手はいない。北条時政の妻りくを憎めない悪女として魅力的に演じたのは宮沢りえさん(49才)だが、こちらもベテランだ。他に誰かと探したならば、これまで紅白の司会経験がなく、かつ若者に高く支持されている女優さんとして、橋本さんが上がったのだろう。
予測と期待を見事に裏切られて、じっと橋本さんの写真を見つめてしまった今回の発表。今年の大晦日はどんな紅白が見られるのか、期待して待ちましょう。