4月19日のDeNA戦での本塁クロスプレーの瞬間(時事通信フォト)

4月19日のDeNA戦での本塁クロスプレーの瞬間(時事通信フォト)

丸が今年も規定打席に到達すれば新記録

 小笠原道大、江藤智は規定打席に達することなく、この年からレギュラーではなくなった。広沢克己、陽岱鋼はファーム暮らしが続いた。

「広沢は移籍4年目の1998年に新人の高橋由伸にポジションを奪われ、5年目には右肩を脱臼したこともあり、出番がほとんどなくなった。陽はファームでも元気がなく、8月下旬に初めて一軍に昇格。スタメンは1試合だけで2週間ほどで二軍落ちしました。2人とも、この年限りで自由契約になっています。

 江藤はダイエーから小久保裕紀が無償トレードでやってきた煽りを受け、控えに回りました。慣れない代打では結果が出せず、プロ入り後最低の4本塁打しか打てなかった。翌年はさらに成績が下がり、350号まであと1本でしたが、ノーアーチのままシーズンを終えました。そのオフにFA移籍の豊田清の人的補償として西武へ移りました。

 小笠原は飛ばない“統一球”の影響もあってか、前年の3割8厘、34本塁打、90打点が嘘のように打てなくなった。結局、その後は復活できず、2013年オフに巨人を自由契約になっています」

 丸は移籍1、2年目にフル出場し、巨人を連覇に導く原動力になった。だが、3年目には不調に陥って6月に二軍落ち。長嶋茂雄終身名誉監督のアドバイスもあって、一軍に復帰すると本来の打撃を取り戻したが、ヤクルト、阪神と優勝争いをしていた9月に9打数連続空振り三振、25打席連続無安打と再び不調に陥った。

「去年はフル出場して及第点を残しましたが、近年は好不調の波が大きくなっている。広島時代からの勤続疲労も蓄積されているでしょう。巨人にFA移籍してから丸は4年連続規定打席に到達している。これは小笠原に次いで2人目です。今年も達成できれば、新記録になります」

 巨人にFA移籍した選手で最長の在籍年数は清原の9年。その清原は5年目に大活躍して、オフに4年契約を結んだ。はたして、現在34歳の丸はどうなるか──。

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