「私は大学に行って、できれば留学をして英語が喋れるようになりたいと思っていましたが、当時の彼は私と結婚したい、高校は地元の学校に行って、卒業後はすぐに働いてほしいとお願いしてきたんです。私だって外の世界を見たい、成長したいという思いがあったので応援してほしいと言いました」(森田さん)
森田さんによれば、この件で関係が疎遠になった後、男性は「プチストーカー化」した。毎朝夜、森田さんの自宅近くに車を止め、森田さんの様子をじっと覗き込み、大学にはいくな、俺から離れるなと大量のメッセージを送ってきたという。
「彼は地元にいて、高校卒業後にすぐ働いていたからか、私が外の世界に行くのが許せないし不安、というようなことを言っていました。その時、これは私が愛されているというより、自分の手の届くところにいるべき、何かを学んだり会得する必要はないと言われたような感じがしたんです」(森田さん)
果てに男性は、泣きじゃくりながら「結婚してくれなきゃ死ぬ」と言い出し、男性への愛情は一気に消え失せたという。その後、高校時代には30歳手前の社会人とも交際したが、やはり、留学をしたり良い大学に行って、都会でバリバリ働きたいという森田さんの思いは「無視」されたという。
「別に馬鹿にされたとかではありませんが、一緒にいてほしいとか、早く結婚したいとかそういう話ばかりで、私の夢や将来を応援したい、という期待していた一言はいつまでもありませんでした。結局私は、相手にとって都合の良い存在でいなければならないのかとしか感じません。付き合った歳上の男性のほぼ全員が同じです」(森田さん)
社会人の彼氏と”大人っぽさ”が逆転
鳥籠の中の鳥でいてほしい……ではないが、年上男性が交際する年下女性に「こうあってほしい」と抱く本音は、森田さんが語るように、往々にして「男性側の一方的」な押し付けである例も散見される。高校生の時、当時社会人3年目だった彼との交際経験がある神奈川県在住の主婦・山下茜さん(仮名・20代)も、当時を懐かしみつつ「良い勉強にはなった」と苦笑いする。
「当時の私からすると、社会人の彼がいるというのは一種のステイタスだったかもしれません(笑)。同級生の男子が幼く感じられて、大人な私とは釣り合わないなんて思ってたんです。でも、半年、一年と年上彼と付き合っていくうちに、私もいろんな経験をして、彼が意外と子供っぽいのに気づきました。いわゆる”大人っぽさ”が逆転したんです」(山下さん)