俺は時代に寄り添い、憲武は時代を作った
「俺は常に時代が求めるものは何かを考えて、それに合わせたネタを考えて芸を磨いてきたつもりだけど、憲武たちは、自ら時代を作ってきたという感じ。お笑いの世界で独自のスタイルを貫きながら、アイドルとしても愛された。その意味では時代が彼らを追いかけたのかな。そんな勢いが『とんねるず』にはあって、ひとつのカルチャーを築いたともいえるんじゃないかな」
今回は昔の話をしているけれど、まだまだ過去を懐かしみたくないとコロッケは言う。
「俺たちはいまもお互い現役だからね。でも、いつか当時のことを憲武と語り合えたらいいな」
それが楽しみだと笑った。
【プロフィール】
コロッケ/1960年、熊本県熊本市生まれ。『お笑いスター誕生!!』(日本テレビ系)でその名が知られ、その後、“ものまね四天王”のひとりとして活躍。北島三郎、五木ひろし、野口五郎、美川憲一の形態模写や声帯模写など、レパートリーは300を超える。2014年、「文化庁長官表彰」を受賞。
木梨憲武/1962年、東京都世田谷区生まれ。高校の同級生だった石橋貴明と共に、「とんねるず」を結成。『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)など、数々のバラエティー番組に出演し、歌手、アーティスト、俳優、司会者としても活躍。ドラマ『春になったら』(カンテレ・フジテレビ系)で主演を務めた。
『みなさんのおかげです 木梨憲武自伝』(小学館)2200円 「木梨サイクル」での幼少期、帝京高校サッカー部時代、「とんねるず」で駆け上ったスターダム、愛妻・安田成美との日々、盟友・石橋貴明との関係―移り変わりの激しいエンターテインメント業界をどう生き抜いてきたか、赤裸々に明かされる。 取材・文/上村久留美
※女性セブン2024年4月11日号