国内

菅首相の「外交嫌い」 サミットでの恐怖体験が発端との説

尖閣問題や北方領土問題で全くリーダーシップの見えない菅直人首相。すっかり「外交嫌い」の噂も定着しつつある。

そんな菅氏の「外交嫌い」を決定づけたのが、総理としての“国際舞台デビュー”となった6月のサミットでの「恐怖体験」だった。

初日の昼食会ではオバマ大統領の隣の席で、ニコニコと神妙に振る舞っていた菅首相だが、もともと黙っているのは得意ではない。夕食会の席上、何も考えずに「時には中国をG8サミットに呼ぶことを考えてもよいのではないか」といってしまった。

事務方との事前の相談もなく、思いつきの提案だった。このような席では、一見、雑談に見えても、各国首脳は綿密に計算された発言をするものである。案の定、オバマ大統領はじめ7人の首脳たちは、菅首相の発言を完全に黙殺した。

菅首相の側近がこう語る。

「その沈黙の時間は恐怖と羞恥でたまらなくなったそうだ。迂闊な同意、相づちさえ決して許されない首脳外交の怖さを初めて知ったようだ」

いったん懲りると、気の小さい総理は必要以上に慎重になる。そのため、夕食会の後の各国首脳との会談には、当時の岡田外相が同席することになり、前代未聞の「保護者同伴サミット」となったのである。

以来、菅首相の首脳外交はケチのつきっぱなし。中国の温家宝・首相とは2回も会談が実現せずに挨拶程度の「懇談」となった。経験不足のままAPEC首脳会議でオバマ大統領、メドベージェフ大統領、胡主席らを迎え、ホスト役が務まるのかと考えたら夜も眠れないのではないか。かといって、今回ばかりは中国、ロシアに喧嘩腰の前原外相を首脳会談に同伴させるわけにもいかない。

「いっそのこと、中ロが参加しなければいいのに」なんて本気で考えていそうだから笑えない。

※週刊ポスト2010年11月19日号

関連記事

トピックス

俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
AIの技術で遭遇リスクを可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」
AIを活用し遭遇リスクを可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」から見えてくるもの 遭遇確率が高いのは「山と川に挟まれた住宅周辺」、“過疎化”も重要なキーワードに
週刊ポスト
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト