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「検察はマスコミを操作して私を悪役に仕立てた」と村岡兼造氏

 村岡兼造・元官房長官は、日本歯科医師連盟から自民党の派閥・平成研究会に闇献金が行なわれたとされる日歯連事件で、2008年に有罪判決を受けた。政治資金規正法違反に問われ有罪となったのは平成の会計責任者・滝川俊行氏と、平成研会長代理の村岡氏だった。

 村岡氏が驚いたのは、検察によるメディアへのリークの実態だった。

「大鶴基成検事から『マスコミに話さないで検察の捜査に協力してくれ』と口止めされました。しかし、ホテルを出るとすぐに2名の記者が追いかけてきて、『ホテルの9階のこの部屋で事情聴取を受けていたでしょう』と聞いてくる。

 翌朝から自宅には30名ほどの記者が殺到しましたが、2度目の事情聴取に先立ち、私がそのことを申し立てると大鶴検事は『何か考えてみましょう』というのです。驚くことに事情聴取当日、記者は消え失せた。検察がマスコミを自在に操作しているのを目の当たりにしました。

 大勢のマスコミを集めて行なわれた家宅捜索や自宅でのアリバイ捜査のあと、大鶴検事から電話があり、『私らの方で決めましたから』と冷淡な声で在宅起訴を告げられたとき、私はようやく騙されていたことに気づきました。検察はマスコミを利用し、私を悪役に仕立てたのです」

 最終的には滝川証言が村岡証言より信用性があるとして、有罪となった。滝川氏が日歯連から領収書の要請が来ていると村岡氏に報告したとする日、村岡氏は東京にいなかったにもかかわらず、だ。平成研会長だった橋本龍太郎元首相(故人)・青木幹雄氏(平成研幹部)は不起訴、野中広務氏(平成研事務総長)は起訴猶予に終わった。

 村岡氏は悔しそうに語る。

「検察は政治家を1人挙げなければいけなかった。そのために私がスケープゴートにされたのです。検察は正義ではありません。自分の権力にアグラをかいて堕落しきった組織です」

※週刊ポスト2010年11月19日号

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