国内

住宅の平均耐用年数 英141年、米103年、独79年、日30年

 働き盛りのサラリーマンに元気がない。その原因は長引く景気低迷が招いた「家計のバランスシート不況」にあると、経営コンサルタントの大前研一氏は喝破する。リスクのない超低金利で資産を運用し、価値が目減りし続ける家のために高額な住宅ローンを払う。こうした家計の“含み損”を解消していくにはどうすべきなのか。以下、大前氏の緊急提言―――。

 * * *
 バランスシート上の最大の“お荷物”は、持ち家や車などの「固定資産」です。たとえば、10年前に6000万円で買った一軒家の価値は3000万円程度にまで下がってしまい、かたやローンの支払いはまだ5000万円近く残っている。売りに出せば2000万円もの債務超過になるという家計が多いはずです。通勤時間が1時間を超えるところにマンションを買った人も同じく大きなマイナスを抱えています。

 しかし、海外では事情は全く違います。家を購入した場合、居住年数10年、20年でローンの支払いが半分になった頃に、価値が2倍、3倍になり、それを担保にまた別の住宅を買って、賃貸に出して利益を得ることができる。つまり、家の購入は利殖行為なのです。

 住宅の平均耐用年数はイギリスで141年、アメリカは103年、ドイツは79年ですが、日本はたったの30年。資産としての目減りが海外よりはるかに早い。しかも、日本の全住宅の2割は空き家で、供給過剰に陥っている。空間利用を考えても、ニューヨーク・マンハッタンの住宅地域の平均容積率631%と比べると、東京23区の平均容積率は136%で、まだまだ都市部にも開発余地があります。将来の人口減少も考えれば、今後、日本の住宅が値上がりすることはあり得ないと考えるべきです。

※週刊ポスト2010年12月10日号

関連キーワード

トピックス

群馬県前橋市の小川晶前市長(共同通信社)
「再選させるぞ!させるぞ!させるぞ!させるぞ!」前橋市“ラブホ通い詰め”小川前市長が支援者集会に参加して涙の演説、参加者は「市長はバッチバチにやる気満々でしたよ」
NEWSポストセブン
ネットテレビ局「ABEMA」のアナウンサー・瀧山あかね(Instagramより)
〈よく見るとなにか見える…〉〈最高の丸み〉ABEMAアナ・瀧山あかねの”ぴったりニット”に絶賛の声 本人が明かす美ボディ秘訣は「2025年トレンド料理」
NEWSポストセブン
千葉大学看護学部創立50周年の式典に出席された愛子さま(2025年12月14日、撮影/JMPA)
《雅子さまの定番カラーをチョイス》愛子さま、“主役”に寄り添うネイビーとホワイトのバイカラーコーデで式典に出席 ブレードの装飾で立体感も
NEWSポストセブン
審査員として厳しく丁寧な講評をしていた粗品(THE W公式Xより)
《「脳みそが足りてへん」と酷評も》粗品、女性芸人たちへの辛口審査に賛否 臨床心理士が注目した番組冒頭での発言「女やから…」
NEWSポストセブン
12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
宮崎あおい
《主演・大泉洋を食った?》『ちょっとだけエスパー』で13年ぶり民放連ドラ出演の宮崎あおい、芸歴36年目のキャリアと40歳国民的女優の“今” 
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
会社の事務所内で女性を刺したとして中国籍のリュウ・カ容疑者が逮捕された(右・千葉県警察HPより)
《いすみ市・同僚女性を社内で刺殺》中国籍のリュウ・カ容疑者が起こしていた“近隣刃物トラブル”「ナイフを手に私を見下ろして…」「窓のアルミシート、不気味だよね」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情