1990年代、華麗なプレーで「イタリアの至宝」と呼ばれたサッカー元イタリア代表のロベルト・バッジオ氏(43)が登壇すると、広島市の平和記念公園に詰めかけた7000人の観衆から拍手が沸き起こった。「まずはアウン・サン・スーチー氏の解放を共に喜びましょう」そう語り始めると、再び大きな歓声に包まれた。さる11月14日、広島で開かれた「ノーベル平和賞受賞者世界サミット」閉会式のワンシーンだ。
その受賞スピーチで唐突に飛び出したのが「マエストロ ダイサク・イケダ」の名。いうまでもなく創価学会の池田大作・名誉会長(82)のことである。バッジオ氏は、「われわれ一人ひとりが平和の伝道者になる可能性を秘めています」とした上で、「私は池田大作先生の教えを心に刻むことができました。そして対話の力こそ私を支え、欺瞞と不正義を乗り越えさせてくれることを知ったのです」と高らかに述べたのだ。
この発言を新聞・テレビは全く報じなかったが、バッジオ氏が熱心な創価学会信者であることはサッカーファンならずとも有名な話。不調で苦しんでいた1987年に創価学会の教えに救われたと公言し、受賞翌日には受賞報告のために東京・信濃町の学会本部を訪れた。
※週刊ポスト2010年12月10日号