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識者50人が選ぶ最強ネゴシエーターその2  徳川家康は10位

 外交失策の続く民主党政権。SAPIOでは政治・外交関連の識者50人に日本史上最強のタフネゴシエーター(交渉上手)は誰か、アンケートを実施した。その6位から10位までを紹介しよう。

6位:勝海舟(1823~1899)

 江戸幕府の幕臣。1853年、ペリーが来航すると、勝の書いた海防意見書が老中首座の阿部正弘の目にとまり、長崎海軍伝習所に入所。1860年には咸臨丸で渡米。軍艦奉行並となり神戸海軍操練所を開設するなど日本海軍の礎を築く。戊辰戦争時には、幕府軍の軍事総裁として徹底抗戦派に対して早期停戦を主張、江戸城無血開城を実現。

7位:大久保利通(1830~1878)

 薩摩藩士、明治の政治家。西郷隆盛、木戸孝允とともに「維新の三傑」と呼ばれる。朝鮮出兵を巡る論争では、征韓派の西郷隆盛や板垣退助らの意見を通さず、「明治六年の政変」で西郷らは下野した。1874年の台湾出兵では、全権弁理大使として戦後処理にあたり、清に日本側の出兵の正当性を認めさせ、50万両の賠償金を得る。

8位:陸奥宗光(1844~1897)

 明治時代の外務大臣。幕末に勝海舟の神戸海軍操練所に入り、坂本龍馬の海援隊に加わる。龍馬は「(刀を)二本差さなくても食っていけるのは、俺と陸奥だけだ」とその頭脳を高く評価した。第二次伊藤博文内閣で外相に就任。日英通商航海条約の締結を皮切りに、米・独・仏・伊などとも不平等条約を改正し、治外法権の廃止に成功する。

9位:川路聖謨(かわじ・としあきら 1801~1868)

 幕末の旗本。1853年、老中・阿部正弘から海岸防禦御用掛に任じられる。ペリー来航に際しては開国を唱える。また、長崎に来航したロシア使節プチャーチンとの交渉にあたり、日露和親条約に調印して、国境線を画定。樺太においては国境を設けず、択捉島とウルップ島の間に国境線が引かれ、現在の北方四島が日本領であることが確定した。

10位:徳川家康(1543~1616)

 初代江戸幕府将軍。桶狭間の戦いで今川義元が討たれると、信長と同盟を組んだ。本能寺の変で信長が討たれると、豊臣秀吉と対立。小牧・長久手の戦いを有利に進めるが、秀吉に臣従する。小田原の役の後、関東への領地替えを命じられ、従う。秀吉没後、関ヶ原の戦いで天下統一。さらにその後も豊臣側を挑発し、大坂の役で豊臣氏を滅ぼす。

※SAPIO2011年1月6日号

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