国内

「美人すぎる××」に食いつくのは職業に付加価値感じるため

「美人すぎる」の後に続くのは、決まって「職業」である。「××なのにキレイ」なのか、はたまた、「××だからキレイ」と思うのか。消費者がつい「美人すぎる××」に食いついてしまう「心の仕組み」に迫った。

* * *
『女はギャップ』(扶桑社文庫)などの著書がある精神科医の名越康文氏は、その「ギャップ」から「希少性」が生まれていると分析する。

「男性が美しい女性に惹かれるのは当然のことですが、最近では、既成の価値観に退屈してきた傾向があります。ただ美しいだけではなく、付加価値を求めようとする心理が働いているのです。『××なのに美人』と言われると、そこに希少性という付加価値が発生する。だから、『美人すぎる』とはつまり“美人を超えた”美人ではなく、いわばオンリーワンの付加価値に、男性たちは惹かれるのだと思います」

 名越氏によれば、一方でギャップが生む「謎めいた印象」が男たちを引き寄せている面もあるという。

つまり、美しい女性は、男性から引く手あまたであり、結婚することで十分幸せな人生を歩んでいけると多くの人が考える。しかし、厳しい練習が必要な「海女」や「ヴァイオリニスト」、難しい勉強が必要な「歯科医」に、なぜ彼女たちは挑戦しようと思うのか。その謎めいたところが、男たちの想像をかき立てるらしい。

名越氏はこう解説する。

「彼女たちの内面にまで思いを巡らすと、『私は海に潜るんだ』『私は相撲を取るんだ』『ヴァイオリンを弾くんだ』という強い意志を感じる。男性は、集団的に、かつヒエラルキーの中で生きているから、そうした価値観とはまったく異質の、女性たちの『強い意志』に憧れを持ちやすいと言えます」

 美人があまりいないと思われる職業に就いていれば就いているほど、その女性が持っていると思われる「強い意志」の魅力があるというわけだ。いわば、「その職業だから美人」に感じるという心理状態である。

取材・文/ジャーナリスト・沢野竜一

※SAPIO2011年1月6日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン