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2011.07.01 07:00  週刊ポスト

麻薬の断り方 日本人は親をダシにし米国人は「私」を主語に

 おぐにあやこ氏は1966年大阪生まれ。元毎日新聞記者。夫の転勤を機に退社し、2007年夏より夫、小学生の息子と共にワシントンDC郊外に在住。著者に『ベイビーパッカーでいこう!』や週刊ポスト連載をまとめた『アメリカなう。』などがある。おぐに氏が、日本とアメリカにおける「断り方の違い」について解説する。

 * * *
 日本人はNOといえない、というのが定説だけど、どうだろう。私自身は、結構平気で NO!といっちゃう方なので、「国民性というより個人差の方が大きいんじゃないかな~」と、今の今まで思ってきた。

 ある日、息子が「ドラッグ・アルコール・タバコ乱用防止テキスト」を学校から持ち帰った。見れば、「友だちからドラッグやタバコを一緒に吸おうと誘われた時の上手な断わり方」がずらり具体的に書いてある。

 な~んだ、わざわざこういうことを教えるなんて、やっぱりアメリカ人だって、「タバコ吸おうぜ」と仲間から誘われれば、なかなか「NO」とはいえないのね。結局、日本人と同じじゃん、と思ったんだけど……。実は、全然違うのよ。アメリカ版「断わり方」って……ああ、カドを立てまくり!

 息子のテキストによると、「断わる方法」の1番目は「NO と短く答えよう」だって。それができりゃ苦労しないよ。2番目は「『私』を主語にして拒否しよう。『私は嫌よ』と」。

 親をダシにする日本版(「夜回り先生」こと水谷修さんが作成した「友人からドラッグに誘われた時の断り方」では「『お母さん(お父さん)が怖いんだもん』と壊れたレコードみたいに繰り返す」というものがある)とは、まるで逆だ。3番目は「タバコは体に悪い。ドラッグは依存を形成する、など事実を相手に説明しよう」。って、そんなことしたら、余計に反発を食らっちゃうよ~。

 すごいのは4番目で、なんと「プレッシャーを相手にかけ返そう」。つまり「あなたのこと、親友だと思ってたのに。本当の親友なら体に悪いことを薦めたりしないものよ!」とか「そんな風に誘って、なぜ私を苦しめるの?」と逆に相手を責めてしまえ、と書いてあるのだ。ひええええ、日本の中高生には(日本のサラリーマンだって)、そんなこと、とてもできませ~ん!

 考えてみれば、日本版は「NOといわずに断わる方法」で、アメリカ版は「NOという方法」なんだよなあ。ああ、やっぱり日本人って、NOといえない国民なのかしらん。

※週刊ポスト2011年7月8日号
(「ニッポン あ・ちゃ・ちゃ」第151回より抜粋)

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