国内

暴言で辞任の松本龍議員 指先にも理屈超え人を食った態度あり

被災地で数々の暴言を吐いた「ドラゴン松本」こと松本龍復興担当大臣が急転直下、辞任した。全国を憤慨させた傲慢な人は実は国際会議の名議長でもあった。その差はなんなのか。作家で五感生活研究所の山下柚実氏は、こんな分析をする。

*  * *
松本氏の「何様」ぶりが、大騒ぎを引き起こし、辞任騒動に発展。

それにしても、日本全国数千万の人が、一瞬にして映像からこの人の「高ピー」さを感じ取ったのだから、興味深い現象です。

もちろんその原因は「知恵を出さなければ助けない」といった上から目線の発言内容や、「~しろよ」という命令口調にあるのですが、しかし、私はそれだけではないと感じています。

ニュース画面を見ていて、最初に気になったのが、この人の「指先」です。

宮城県を訪ねた時の松本大臣は、村井知事を前に、さかんに人差し指をたて、何度も村井知事を指さしながら話をしていました。

人を指さすボディアクションに、理屈を超えて「人を食った態度」を感じてしまうのは、私だけではないはずです。

もうひとつ気になったのが、この人の「腕組み」スタイル。

岩手県の達増知事を前に、腕を組みながら会談していました。本人も無自覚なのでしょうが、これも相手に威圧感を与えます。

「目は口ほどにモノを言う」と言いますが、「手」をあなどってはいけないのです。「手も口ほどにモノを言う」のです。

米国の心理学者アルバート・メラビアンによれば、コミュニケーションにおいて、言葉によるメッセージは7%、声のトーンや口調が38%、ボディランゲージが55%を占める、という数字が示されています。

もし、言葉の意味そのものよりも、声の調子や身体や手の動きに相手が反応する可能性がある、とすれば。

政治家は自分の身体動作、身振り物腰について、演説の内容以上に謙虚に学ぶべき、という教訓かもしれません。

ラジオの時代ならさほど問題にならなかったことが、映像の時代には大問題になるのです。そして時代は3Dに突入。このニュースを3D映像で見たら、嫌悪感はもっと高まるかもしれません。

ちなみに、今回のことでがぜん松本大臣の人物像に興味が沸き、どんな人なのか調べてみました。すると、昨年10月の国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10 )で議長を務め、利害の対立する国家間で議論をまとめあげ評判をあげたと知り、不思議な感じがしました。

なぜ、それほど交渉能力がある人が、今回のような物議を醸してしまうのか?

推測するに、国際会議では通訳が入り、英語でコミュニケーションをとるので、母国語間で問題となるような微妙なニュアンスやボディランゲージもさほど問題にならないのではないでしょうか。

また、万が一、「~しろよ」と口を滑らせても、通訳はきっと「~してください」と翻訳してくれるでしょう。ということで自動的にこの人の弱点が薄まりそうです。お辞めになった後はぜひ、海外でご活躍されることを期待しましょう。


関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト