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所要時間3分 ペットボトルの中で液状化現象を起こしてみた

液状化現象の実験に挑戦する中田有紀さん

いよいよ夏休みシーズン突入!……というわけで思い出すのが小学校時代の夏休みの自由研究だが、いま「大人の自由研究」が話題になっている。どこにでもあるもので手軽に科学の威力を実感でき、しかも子供に「すごい!」といわせる優れもの。その中のひとつとして、『大人のワクワク実験 アウトドア編』(小学館)にも収録されている「液状化現象の仕組み」再現にチャレンジしてみよう。東日本大震災時に、首都圏湾岸エリアなどで大きく注目を集めた液状化現象――そのメカニズムは意外にもあなたに再現可能なのだ!

* * *
『大人のワクワク実験』の著者で東京学芸大学附属高校教諭の岩藤英司先生はこう話す。

「みなさん、忘れてしまったかもしれませんが、液状化現象は、中学・高校の理科でも扱う地質学の基礎的な現象です。原理自体はいたってシンプルで、ペットボトルと砂があれば簡単に再現できる実験です」

それでは早速、液状化現象を再現する実験を始めてみよう。

【材料】
■1.5L~2Lのペットボトル
■カッター
■砂
■水

【遊び方】
【1】まずはペットボトルをカッターで半分に切る。
【2】ペットボトルの1/3くらいまで砂を入れる。
【3】水浸しにならない程度に水を入れていく。少しぬかるんでいる状態がベスト。
【4】ペットボトルを左右に、ひたすらひたすらひたすら振り続ける事3分超!

――すると不思議なことに地表面にはジワジワと水が浸み出してくる。更に振り続けるとやがて水と砂とが上下に分離する。これが液状化現象だ。前出・岩藤先生が解説する。

「入れる水の量が重要です。実際、少々の水分の含有量ならば液状化現象は起こりません。しかし飽和状態スレスレで水を含んでいる条件下では、揺れによって液状化現象が簡単に再現できます」

現実の液状化もこの実験とまったく同じメカニズムだ。

「基本的に実験同様、水と砂が絶対条件です。三角州や港湾埋立地、河川跡、水田跡、池跡など下層地盤が砂質土で構成されている場所で、大きな揺れが起きたとしましょう。通常、砂などの粒はお互いがくっつきあい、その間に水分が存在します。そこに振動が加わると砂の粒はバラバラになり水と砂が分離し、水が上に移動します。そして水分が多い土地では、砂混じりの水が地表に噴出したり、地盤沈下が起こったりするのです」(同前)

ただ液状化現象は防げないものではないという。家や建物を建てる際にその地盤をきっちり固め直してしまえばいいのだ。その方法は幾多もあるという。この実験のようにメカニズムを知る事が、その第一歩といえる。

撮影■太田真三

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