国内

総務省発表の地デジ普及率 低所得層の未対応者カウントせず

 総務省は、6月末の時点で地デジ普及率が99.5%に達しているという数字を発表した。しかし、総務省の最大のごまかしは、低所得層の地デジ未対応数を無視している点だ。

 政府はNHK受信料免除世帯と市町村民税非課税世帯に対して、チューナーの無料配布やアンテナ設置工事の支援を行なっている。想定される対象世帯数は、それぞれ280万世帯と155万世帯で計435万世帯(両者はほとんど重複しない)。

 6月末時点で、NHK受信料免除世帯における工事完了数は111万件、市町村民税非課税世帯は7.2万件に止まる。つまり約300万世帯に支援の手が届かず、未対応であると考えられるのだ。

 総務省地上放送課に問うと、「対象世帯の半数(約200万世帯)は支援を受けずに自力で地デジに対応済みと考えています」というが、NHK受信料を「払えない」世帯が、どうやって地デジ対応テレビやチューナーを手に入れたというのだろうか。仮にその甘い見通しを信じたとしても、これだけで100万世帯が未対応ということになるではないか。

 地震や原発事故が収束しない中、テレビからの情報が遮断されれば、避難行動の遅れなど人命に直結する事態を懸念する自治体関係者は多い。大災害でなくとも、日常生活に危険が発生する不安も指摘されている。

「節電意識の強い高齢者は、エアコン温度設定をテレビの気象情報や『でんき予報』をもとにこまめに変えている。情報が入ってこないと、就寝時などにエアコンを切ってしまい、脱水症状や熱中症を誘発しないかと心配です」(関西の民生委員)

※週刊ポスト2011年8月5日号

関連記事

トピックス

森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
総選挙ネットHPに掲載された35人の公認反対名簿
韓国で与党を大敗に追い込んだ「落薦&落選運動」の驚異の力 不適格な候補を2段階に分けて抽出し、ネットで大きく展開
週刊ポスト
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン