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西武渡辺監督 投手責めぬ裏に高校時代の2度のサヨナラ負け

日本球界の頂点を極めたプロ野球選手・監督といえども、高校球児の時の記憶がその後の野球観を作り出している――。スポーツライター・永谷脩氏が、12球団監督たちの采配のルーツを、彼らの高校球児時代に探った。ここでは西武・渡辺監督のケースを紹介する。

* * *
最下位脱出にかける西武監督・渡辺久信は、打たれた投手を責め立てるコメントをしないことで知られる。

やはりそのルーツも甲子園にある。1年生ながらマウンドに立った夏(1981年)、2回戦で京都商にサヨナラ負け。先輩に申し訳なく、涙にくれる渡辺だったが、

「先輩は誰も俺を責めず、来年頑張れといってくれた。だから野球が続けられた」

渡辺がいた頃の前橋工(群馬)は、関東に敵なしといわれた。しかし3年夏の県予選決勝では、延長の末、自らの押し出し四球で敗退を喫した。

「大舞台でサヨナラを2度も経験すれば、人を許せるし腹も据わる。リラックスプレーが一番大事なんです」

そう渡辺は笑うのだが、今季の投手陣の不調はそんな“優しさ”がアダになっている感も否めない。

※週刊ポスト2011年9月2日号

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