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「癖」は人類特有のもの 動物にはストレスがないため癖ナシ

今年春の異動で、内勤から外勤になった食品業界の課長A氏(43)は、つい最近、部長に告げられた言葉にショックを受けた。

「取引先のB社が君を担当から外してくれないかといってきた」

いくら得意先とはいえ、異例の要請である。理由を聞くと、部長はこう説明した。

「君はよく相手のいったことに、『いや』とか『でも』とか、否定的な言葉を返すだろう。これでは前向きの話をしたくてもできない、とクレームがきたんだよ」

たまにはいっていたかもしれないが、そんなに頻繁ではないはず。A氏は深く悩んでしまった――。

「無くて七癖」という諺があるように、人間誰しも何らかの癖を持っている。

例えば、人前での赤面癖やどもり癖、緊張からくる下痢癖などは、本人が自覚的なものである。赤面やどもりがひどければSAD(社会不安障害)の可能性があるし、下痢もIBS(過敏性腸症候群)という疾患である場合があり、いずれも投薬で治療できる。

酒乱や浪費は依存症との関連が高く、寝坊癖も睡眠障害とリンクしていることが多い。

一方、本人が無意識についやってしまう癖が厄介だ。誰にも害を与えなければ問題ないが、周りの人を不快にさせる癖が多くある。不意に出る舌打ちなどもその一つだろう。

「癖は動物にはなく、人類特有のものです」

と話すのは、生物学者で早稲田大学国際教養学部教授の池田清彦氏だ。

「例えば、貧乏ゆすりはストレスが原因の癖ですが、そもそも動物の場合、何かを心配したり、何かに悩んだりするといったことがないので、ストレスもたまりません」(池田氏)

※週刊ポスト2011年9月30日号

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