ライフ

青森名物つゆ焼きそば 麺はラーメンとうどんの合体的味わい

『跳人』の「つゆ焼きそば」 700円

ご当地料理の中でも、今年特に注目したいのが、東北の名物料理。……というわけで、グルメ雑誌『アリガット』誌の元編集長・小川フミオ氏がセレクトした『跳人』(東京・神田)の「つゆ焼きそば」を紹介します!

* * *
ご当地名物として、いま人気が高いのが、青森県黒石市のつゆ焼きそば。ラーメンのようでいて焼きそばの味わいがあり、うどん好きも気に入る、個性的なうまさだ。

東京では神田駅前の津軽郷土料理居酒屋『跳人』の昼の人気メニューだ。オーナーの小野幸春さんは『帝国ホテル東京』で30年間ソムリエを務めていたという特異な経歴を持つ。ホテルを辞めたあと、青森県出身の小野さんは「郷土の味を提供したい」と同店を開いた。

「つゆ焼きそばは昭和30年代に、ある食堂のおばあちゃんが、『この方が熱々で寒い季節にはおいしい』と、焼きそばをつゆに入れて出していたのが始まり。あれ、おいしかったね、という記憶を頼りに町おこしのひとつとして提供され始めました」

決まったレシピはないそうだが、黒石の製麺所で作られる平打ち太麺を使うのが唯一の決まり。ラーメンとうどんが合体したような味わいだ。

その麺を炒めてできる黒石焼きそばをスープに入れるとつゆ焼きそばになる。『跳人』では、自家製のウスターソースとともに炒めた麺に、煮干しでとった出汁をかける。それがほかにない味になる。スープは最後の一滴までおいしい。

なんだか、東北の故郷の思い出まで食べている気になる。

■『跳人』の「つゆ焼きそば」 700円

【住所】東京都千代田区鍛冶町2-2-9 第2登栄ビルB1
【営業時間】11時半~14時、17~24時(LO 23時)
【定休日】日、祝(ランチは土休み)
【カード】可

店名は、青森ねぶた祭りの踊り手のこと。ランチでは写真の「つゆ焼きそば」に加え、黒石焼きそばや鶏唐揚げ(青森産「桜姫」)など、津軽の人に親しみ深いものが食べられる。夜は地元から取り寄せた旬の食材を使った料理の数々が楽しめる。オーナーがソムリエだけあってワインの種類も豊富。

撮影■岩本朗

※週刊ポスト2011年9月30日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン