プロ棋士の先崎学九段(左)と日本推理作家協会の将棋同好会代表を務める小説家の葉真中顕氏
ポスト藤井聡太世代が台頭し、波乱の予感もある2026年の将棋界。プロ棋士の先崎学九段(55)と、日本推理作家協会の将棋同好会代表を務める小説家の葉真中顕氏(49)がこれからの棋界を語り合った。
ポスト藤井世代の注目株
葉真中:絶対王者の藤井聡太竜王・名人(六冠、23)に誰が挑むのか。将棋界は今年もそんな構図になりそうですね。
先崎:藤井さんを含めた棋界「3強」の一角である伊藤匠二冠(23)、永瀬拓矢九段(33)に加え、20代の有望な若手とA級棋士(順位戦の最上位リーグ)たちがタイトル戦線を争う形になると思います。
葉真中:藤井さんが21歳の若さで将棋界の全タイトル(八冠)を独占したのが2023年10月のことでした。2024~2025年にかけ、同学年の伊藤さんが2つのタイトル(叡王・王座)を奪取したことで「藤井1強」のイメージはやや薄まった感もあります。「藤井八冠復帰」の成否についてはいかがですか。
先崎:将棋界で全タイトルを保持し続けることは、そう簡単ではありません。30年前に七冠制覇(当時の全タイトル)を成し遂げた羽生善治九段も、5か月余りで六冠に後退し、その後、七冠に返り咲くことはできませんでした。二冠の取り戻しもさることながら、他のすべてのタイトルを防衛し続けることの難度は相当高い。
葉真中:ポスト藤井世代では2024年、公式戦17連勝の記録を打ち立てた藤本渚七段(20)が強い。また、プロデビュー前に、竜王戦の予選を勝ち抜き本選トーナメントに出場して話題を集めた山下数毅四段(17)にも注目しています。山下四段の父は著名な数学者で、将棋ファンとしては幻想と期待を抱かせる存在ですね。
先崎:2024年度の勝率1位(8割4分3厘)棋士である服部慎一郎七段(26)も、タイトル戦登場に手が届くところまできています。服部七段は勢いもあるし、独創性のある棋風があり、今年さらなる飛躍が期待される棋士の1人です。
葉真中:ダークホースの浮上もありそうですね。
