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トランプ大統領は金正恩氏を「マドゥロ方式」で拘束できるのか──荒唐無稽と笑えなくなった国際政治の危険な“初夢”

トランプ大統領と、金正恩氏(AFP=時事)

トランプ大統領と、金正恩氏(AFP=時事)

 アメリカのトランプ政権がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束し、米国に連行した。国家元首でありながら一夜にして捕らえられ犯罪者として扱われるという前例は、国際政治において驚くべき衝撃をもたらした。この出来事を受けて、ある問いが浮かぶ──「北朝鮮の金正恩氏も同じように拘束されうるのか」。在米ジャーナリストの高濱賛氏がリポートする。

マドゥロ大統領と金正恩氏の共通点

 米国はマドゥロ大統領を特殊部隊による作戦で拘束し、米国に移送した。麻薬密輸に関わったとされる疑いで、現地時間1月5日にはニューヨークの連邦地裁に初出廷している。マドゥロ氏は今回の件を「誘拐」と表現しており、国際法上の正当性をめぐる議論が続く。

 これは軍事侵攻やクーデターではない。しかし、「国家元首でありながら犯罪者として扱う」という前例を米国は意図的に作ったのである。

 北朝鮮とベネズエラ。一見、地理的にも政治文化的にも無縁に見える両国だが、米国の視点に立てば共通点が多い。マドゥロ政権は「不正選挙」「民主主義の破壊」を理由に正統性を認められなかった。金正恩氏もまた、世襲独裁体制下で権力を継承し、民主的正統性を国際社会に認められているとは言い難い。

 米国の外交ロジックは冷酷だ。

「正統な国家元首ではない」=「特別な保護の対象ではない」

 これは国際法で明文化された原則ではないが、実務上、誰を国家元首として扱うかがその人物の保護範囲を決める。この線引きは、ベネズエラで既に検証されている。

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