ビジネス

運用成績が高いだけではダメ! 新興国ファンド選びの注意点

 手軽に海外に投資できるツールとして人気の投資信託(ファンド)。特に新興国に投資するファンドの人気は高まる一方だ。リッパー・ジャパンのファンドアナリスト・篠田尚子氏が、新興国ファンドに投資する際の注意点を解説する。

 * * *
 ひとくちに新興国ファンドといっても、投資対象は非常に幅広い。国別で見ても、BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)に続いて、「VISTA」と呼ばれるベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン、「NEXT11」のバングラデシュ、エジプト、インドネシア、イラン、韓国、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、トルコ、ベトナムなど、中東やアフリカまで広がっている。特に、最近国内では、インドネシアなどのASEAN各国の人気が高い。

 こうした国々の株式に加え、債券に投資をするファンドも増えてきている。また、1つの国に投資するもののほかに、分散投資の効果を期待して複数の国に投資するものがあり、両者それぞれに、株式と債券をミックスしたファンドも存在している。

 こうした新興国ファンドを選ぶポイントは、まず需給である。たとえばここ1年間のロシア株式ファンドは、非常に高い運用成績を残したが、資金の流出が続き、残高が減少傾向となっている。たとえ運用成績がよくとも、残高が減り、安定的な運用ができなくなると、繰り上げ償還(ファンドの清算)されることがある。特に、株式型にはその懸念が強い。

 残高の目安として10億円がボーダーラインといえようか。ただし、販売会社が多い場合は、運用会社も簡単に繰り上げ償還はしにくいので、販売会社が多いファンドを選ぶのも手だ。10社以上あれば、多少残高が減っても運用が継続される可能性は高いだろう。

 次はコスト。新しく設定されたファンドの方が、販売手数料や信託報酬などのコストが安いケースがある。中国株ファンドなどは、10年近く前に設定されたものと最近のものでは、格段に差がある。新しいファンドは、運用成績などのデータが少ないため、敬遠されることもあるが、投資内容が似たファンドがあれば類推は可能。運用成績やコストを比較することが大事だ。マザーファンド方式のものなら、マザーファンドを見れば過去の運用成績がわかる。

※マネーポスト2011年9月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
保護者責任遺棄の疑いで北島遥生容疑者(23)と内縁の妻・エリカ容疑者(22)ら夫妻が逮捕された(Instagramより)
《市営住宅で0歳児らを7時間置き去り》「『お前のせいだろ!』と男の人の怒号が…」“首タトゥー男”北島遥生容疑者と妻・エリカ容疑者が住んでいた“恐怖の部屋”、住民が通報
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
学業との両立も重んじている秋篠宮家の長男・悠仁さま(学生提供)
「おすすめは美しい羽のリュウキュウハグロトンボです」悠仁さま、筑波大学学園祭で目撃された「ポストカード手売り姿」
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
「港区女子がいつの間にか…」Nikiが親密だった“別のタレント” ドジャース・山本由伸の隣に立つ「テラハ美女」の華麗なる元カレ遍歴
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン